【ベストセラー作家が推す韓国時代劇】『七日の王妃』でパク・ミニョンが演じた薄幸の王妃の運命に泣ける

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ラブコメをはじめとして韓国ドラマで多彩なヒロインを演じ続けているパク・ミニョン。このトップ女優が時代劇で「悲しみの王妃」に扮しているのが『七日の王妃』である。

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主人公は、歴史的にわずか7日間で王妃の座から引きずり下ろされた端敬(タンギョン)王后だ。そうした実話を刺激的なストーリーにしたのが『七日の王妃』の核心部分であった。

ドラマの中でパク・ミニョンが演じたシン・チェギョンは幼い頃から活発な女の子で、成人してから魅惑的な女性となった。そんな彼女と結婚したのが、ヨン・ウジンの演じる王族のイ・ヨクである。

彼は国王・燕山君(ヨンサングン)の異母弟だ。自分が国王になるつもりはなかったのでのんびり過ごしていたのだが、嫉妬深い燕山君から徹底的にいじめられる。しかも、暴君として評判の悪い燕山君は、シン・チェギョンにも好意を持っていた。それだけに、彼女は様々なトラブルに巻き込まれてしまう。

ただし、燕山君が単純な暴君のイメージで描かれていない。執念深いところがあるが、理知的な性格も持ち合わせていた。そういう意味では、燕山君を演じたイ・ドンゴンが暴君に新たな解釈を加えたのが『七日の王妃』であった。実際、このドラマは歴史的な出来事を大胆に脚色して作られている。そこが本当に興味深かった。

結局、燕山君はクーデターで追放されて廃位になっていく。それによってイ・ヨクが新しい国王の中宗(チュンジョン)として即位するのだが、シン・チェギョンの父親が燕山君の側近であったし、彼女の叔母が燕山君の妻だった。

こうした親族関係が大問題となり、クーデターを成功させた重臣たちの強い圧力によって、シン・チェギョンは端敬王后になったにも関わらず廃妃になってしまった。終盤は痛切な場面の連続であり、パク・ミニョンが見せる「抒情的な哀愁」が非常に印象的だった。

『七日の王妃』
画像=KBS

実話を基にした刺激的なストーリー

〔『七日の王妃』ドラマ概要〕
制作/KBS、全20話、2017年  
配信/U-NEXT
演出/イ・ジョンソプ、ソン・ジウォン
脚本/チェ・ジニョン
出演者(演じた役名)/パク・ミニョン(シン・チェギョン)、ヨン・ウジン(イ・ヨク)、イ・ドンゴン(燕山君)、チャンソン〔2PM〕(ソノ)、ソン・ウンソ(チャン・ノクス)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

作家。1954年東京・向島で生まれる。韓国の歴史・文化・韓流や日韓関係を描いた著作が多い。『知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物』を含めた朝鮮王朝三部作は70万部を超えるベストセラーとなった。最新刊は『朝鮮王朝「背徳の王宮」』。

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