韓国ドラマが得意にしているジャンルがラブコメだ。過去に多くの傑作がラブコメとして世に送り出されてきた。その中で、「ラブコメ史上で一番笑えた名場面」を挙げるとすれば、どんなものが選ばれるだろうか。
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たとえば『キム秘書はいったい、なぜ?』。このドラマはパク・ソジュンとパク・ミニョンが主役コンビを演じたが、特にパク・ソジュンがとぼけた味を出していて傑作だった。彼は『梨泰院クラス』でシリアスな役を演じたかと思うと、『キム秘書はいったい、なぜ?』では「ラブコメの王道」を愉快に突っ走っていた。
彼が演じた財閥御曹司のヨンジュンは仕事が良くできて、ルックスに至っては非の打ちどころがないほどである。しかも、過分なまでに自己愛に満ち溢れている。その自信に満ちた彼が理解できないのは、パク・ミニョンが扮するキム秘書が唐突に退職を願い出るという事態だった。
心を乱したヨンジュンは、理由が分からないまま戸惑い、思わず勢い余ってキム秘書にプロポーズの言葉を投げかけてしまう。しかしながら、仕事で能力を発揮しながらもプライベートでは淡々としているキム秘書はヨンジュンに対し「私の好みではありません」と突き放すように言い放つ。その結果、どん底の気分に陥ったヨンジュンは、キム秘書にもっと個人的に近づくための作戦を練った。
ここからのシーンは最高のドタバタだった。キム秘書が同僚たちと楽しく焼肉を食べている最中、ヨンジュンが突如として現れ、良いところを見せようと奮闘する。
しかし、大衆的な店に慣れていない彼は失敗を重ねるばかり。店の人に怒られ、仕事の話ばかりして場の空気を壊し、高級ウィスキーを頼もうとして周囲に呆れられてしまう……。まさにヨンジュンは、その飲み会で最も嫌われる男となってしまったのである。
さらに、酒癖の悪い女性が大暴れし、ヨンジュンもその巻き添えを食らい、みんなから非難を浴びる羽目に陥ってしまう。その一連の騒動は見る人を大いに爆笑させた。
こうしてあえて「誤解している男」ヨンジュンをパク・ソジュンが真剣そのもので演じた。その姿は痛快で本当に可笑しかった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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