これまで多くのラブコメで愉快なキャラクターを見てきたが、その中でも、『キム秘書はいったい、なぜ?』でパク・ソジュンが演じた主人公のヨンジュンは破格のおかしさを持っていた。
描かれている人物像はまさに完全無比な男であった。
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まずは、財閥会社の副社長だ。能力もケタ違いである。たとえば、重要な会議で部下が怪しいデータを出して自分の正当性を主張したら、コンピュータ並みの頭脳でデータの間違いを正してしまう。
さらに、いくつもの外国語をネイティブのように操って、ビジネスの世界で外国の要人と強い関係を維持してきた。
これまで韓国ドラマではとてつもなく有能な主人公が数多く登場してきたが、ヨンジュンはその中でもナンバーワンと呼べるほどだった。
このように、有能すぎるキャラクターを演じるとなると、俳優もかなり違和感を持つのではないか。案の定、パク・ソジュンも演じていて気後れするところが多かったという。
「自分とヨンジュンは、あまりにかけ離れています」
そう言って、パク・ソジュンはよく笑っていた。
さらに、続けて彼はこう述べた。
「ヨンジュンは自己愛があまりに強すぎますね」
それは、パク・ソジュンが指摘したとおりだ。『キム秘書はいったい、なぜ?』では随所で、ヨンジュンが自分の才能に溺れて自己陶酔する場面が描かれていた。
そうした場面を見るたびに視聴者はニヤニヤしたのではないか。あまりに自己愛が強すぎるキャラは人から見れば嘲笑の対象になるからだ。
そんな主人公を演じていたパク・ソジュンは、性格的に、自分を冷静に厳しく見るタイプだという。つまり、有頂天になったりしないのだ。
とにかく、パク・ソジュンは演じたヨンジュンとの違いばかり目についた。しかし、一つだけ共通するところを見つけたという。
それは、完璧主義ということだ。それが、パク・ソジュンが考えた「ヨンジュンとの共通点」だった。
彼もまた常に「完璧に演じるように努力している」という。それでも完璧にできないものなのだが、それでも努力を怠らないのが本来のパク・ソジュンなのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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