韓国時代劇というと朝鮮王朝の王宮を舞台にしたドラマがとても多いが、そんなジャンルの作品で最も光り輝いた最高級のヒロインは果たして誰だろうか。今回は、人気が高い時代劇を華やかに彩った魅惑的なヒロインにスポットを当ててみよう。さあ、究極的に5人を選んでランキング形式でズバリ発表!
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●ランキング5位/哲仁王后(『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』)
哲仁(チョリン)王后は史実では地味な女性だった。朝鮮王朝には42人の王妃がいたが、「哲仁王后? 誰なの?」という存在だったのだ。しかし、コメディ時代劇の傑作となった『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』の主人公になったら、韓国で知らない人がいないほど知名度がアップした。
なにしろ、シン・ヘソンの「まるで武骨な男性そのもの」に徹した演技力のおかげで、メチャ奇抜で愛嬌があって強気一辺倒のヒロインが出来上がった。キム・ジョンヒョンが演じた哲宗(チョルジョン)をアゴでこき使う姿は本当にユニークだった。
●ランキング4位/ソン・ドギム(『赤い袖先』)
テレビ東京の韓流プレミアで現在放送中の『赤い袖先』。イ・ジュノが演じるイ・サンに愛されるソン・ドギムは自立心が強いハツラツ宮女だ。時代劇で定評があるイ・セヨンがメリハリの強い表現力で快活に演じていて、強いヒロイン像を存分に見せてくれた。
本来なら、王族の言うことを何でも聞かなければならない身分でありながら、ソン・ドギムは自分の信念のままに行動して、決して卑屈にならなかった。「時代を超えていく存在感」を持ったヒロインであり、女性が抑圧された朝鮮王朝において救世主のような役割を果たしていた。
●ランキング3位/ソン・ソンヨン(『イ・サン』)
『赤い袖先』のソン・ドギムは歴史的には宜嬪・成氏(ウィビン・ソンシ)と称された側室であったが、まったく同じ女性をモデルにしていたのが『イ・サン』のソン・ソンヨンだ。
このドラマでは公式行事の様子を絵で残す図画署(トファソ)の茶母(タモ/下働きの女性)という設定だったが、若きハン・ジミンが清楚に演じて聖女のようなイメージをかもしだしていた。「美貌」「純真」「真面目」という三拍子そろったヒロインであり、ドラマの人気とあいまって好感度が抜群だった。
●ランキング2位/チャングム(『宮廷女官 チャングムの誓い』)
韓国時代劇がたどりついた最高級のヒロインがチャングムだったかもしれない。最初は王宮の料理人として腕を磨き、後半は医女として存在感を示した。たとえ、どんな分野に進出しても最高の仕事をやり遂げたことは間違いない。それほど才能が際立っていた。
そんな女性をイ・ヨンエが情感ゆたかに演じて、大女優の貫禄を十分に示してくれた。日本で韓国時代劇のブームを作り出した功績も本当に大きかった。
●ランキング1位/トンイ(『トンイ』)
放送から13年が経っているが、「好きな韓国時代劇」のランキングで不動のトップになるほどの人気を博している。『トンイ』というドラマ自体も抜群に面白かったが、演じたハン・ヒョジュは透明感があって誰からも好かれる印象度バツグンの女優だった。しかも、トンイというキャラクターは苦境に負けない忍耐力に優れ、周囲を励ます明るさを兼ね備えていた。
史実のトンイは淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)という側室で後に21代王となった英祖(ヨンジョ)の母親として有名。ドラマの中で息子を立派に育てていく姿は感動的で、そういう面でも「スーパー」と呼べるヒロインであった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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