テレビ東京の韓流プレミアでは好評を博してきた『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』が10月21日で終わり、10月24日からは新たに『帝王の娘 スベクヒャン』がスタートした。
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このドラマの舞台になっているのは百済(ペクチェ)の国だ。この国を理解しないと『帝王の娘 スベクヒャン』のことがまったくわからないので、最初に百済について解説しよう。
韓国時代劇がよく描く朝鮮王朝は1392年から1910年まで存続した王朝だ。それよりはるか昔、紀元前18年から660年まで実在した王朝が百済である。日本では「くだら」と呼ばれている。
百済が存続した時代は「三国時代」だ。当時、朝鮮半島には北部の高句麗(コグリョ)、東南部の新羅(シルラ)、そして、西南部の百済が鼎立(ていりつ)していて、三国は激しい領土争いを繰り広げていた。
その中で百済が有利だったのは、肥沃な平野をたくさん抱えていたことだ。高句麗と新羅は山間地帯が多かったが、百済は平地に恵まれていた。そうした地域的な有利さを生かして、百済は文化を大いに発展させた。
その百済の24代王が東城(トンソン)王である。ドラマではチョン・チャンが演じている。東城王は479年から501年に在位した。その統治時代の末期から『帝王の娘 スベクヒャン』は始まっている。
東城王は気難しい王だった。そんな王から加林(カリム)城をまかされていたのが貴族のペク・カ(アン・ソクファン)だった。その娘がチェファであり、ミョン・セビンが演じていた。
チェファは身重だった。相手は東城王のいとこのユン(イ・ジェリョン)であり、彼は少ない兵で北魏の大軍に対して壮絶な戦いを挑んでいた。
彼が無事に帰還すれば、チェファと晴れて夫婦になることができた。幸いに、ユンは勝利を挙げて東城王に帰還の報告をしたのだが、東城王はユンに対して疑惑の目をむけるのであった……。
それが第1話のあらすじだが、初回から『帝王の娘 スベクヒャン』は波乱含みの展開で先が本当に気になる。以後も古代の物語らしいスケールの大きいドラマになりそうだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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