『梨泰院クラス』は単なる復讐劇を越えてどんな物語に転化していったのか

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『梨泰院クラス』というドラマは、序盤からスリリングな展開で印象的な場面がたくさん登場したが、中でもドラマの性格を決定づけた忘れられない名シーンがあった。

【写真】『キム秘書』の経験は『梨泰院クラス』のパク・ソジュンにどんな効果を生んだか

そのシーンが描かれたのは第5話だ。

パク・ソジュンが演じるパク・セロイが仲間たちと一緒に開いている「タンバム」。みんなの願いも通じず、営業不振が続いていた。その大きな理由として、マネージャーのチョ・イソ(キム・ダミ)がやり玉に挙げたのが、料理長を務めるマ・ヒョニ(イ・ジュヨン)だった。

チョ・イソがはっきり言ったのは、料理が美味しくないということだ。そのために、チョ・イソはマ・ヒョニの解雇まで言及した。

結果的に、みんなの前でパク・セロイは厳しい表情でマ・ヒョニを呼び出し、今月分の給料を渡した。誰もが「彼女が首を切られる」と思ったし、当のマ・ヒョニも「これまでありがとうございました」と言って給料袋を受け取り辞職を覚悟した。

しかし、パク・セロイの対応は違った。

「今までの二倍を入れておいた」

そう言ったパク・セロイはマ・ヒョニに対して「この店が好きなら、今までの二倍努力してくれ」と伝えた。

(写真=JTBC『梨泰院クラス』ポスター)

感動的な人生ドラマ

まさに、パク・セロイの起死回生の対応だった。さらに、パク・セロイはマ・ヒョニがトランスジェンダーであると言及したあとで、「一緒に働きたくない奴がいたら今すぐ言え。俺は切る」と明確に告げたのである。

パク・セロイの決意は揺るがなかった。真っ先にマ・ヒョニの解雇を主張していたチョ・イソもパク・セロイに従うしかなかった。

この場面がきっかけとなり、「タンバム」の仲間たちは一枚岩になっていく。パク・セロイは「解雇されると思えた料理長に二倍の給料を渡す」という劇的な場面を演出して、みんなで一緒に「タンバム」を大きくするという意欲を鮮明に見せた。

こうして、『梨泰院クラス』はストーリーの方向性が明確になっていった。単なる復讐劇ではない。『梨泰院クラス』は感動的な人生ドラマなのだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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