現在、ユ・ソンホは韓国KBSで放送されている時代劇『花咲けば月想う』(原題)に主演している。このドラマは、朝鮮王朝時代に厳しい禁酒令が出ていた時期に密造酒によって引き起こされた騒動を描いている。この中でユ・ソンホは天才子役時代から培ってきた巧みな演技を存分に披露している。共演者のヘリとの呼吸もピッタリだ。
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そんなユ・スンホの5年前の主演作として改めて思い出されるのが『仮面の王 イ・ソン』である。
本当に不思議な設定のストーリーだった。なにしろ、主人公のイ・ソンは王子なのに、生まれたときから仮面をかぶって顔を隠すという宿命を背負っていたからだ。
そんな王子が世子から国王へと変わっていきながら、自身が背負った不条理の元凶を正していくのが『仮面の王 イ・ソン』の本筋だった。
とにかく、秘密結社に弱みを握られた国王が世子の命を守る過程で水の管理の全権を取られてしまう、という序盤が奇抜だった。しかも、世子は仮面で素顔を隠さなければならなかったのだが、彼は有能で正義感が強く、秘密結社の撲滅に邁進する。
そんなイ・ソンを演じたユ・スンホは、子役時代に『太王四神記』『王と私』『善徳女王』といった人気時代劇で主人公の子供時代を演じて「天才」と称されていた。そして、大人の俳優に成長したあとも、「時代劇ユ・スンホ」という愛称で語られるほど、時代劇に特化した持ち味を存分に見せていた。
『仮面の王 イ・ソン』は共演陣も魅力的だった。特にヒロインを演じたキム・ソヒョンはユ・スンホと同様に子役時代に数々の人気ドラマで活躍しており、今では『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』の主役としてトップ女優の評価を受けている。彼女は、『仮面の王 イ・ソン』では薬草に詳しい娘ハン・ガウン(キム・ソヒョン)に扮して、イ・ソンを様々に助けていく。
以上のように、『仮面の王 イ・ソン』は情熱的なラブストーリーとミステリアスな秘密結社の正体を暴くドラマとして、レベルが高いエンタテインメント時代劇となっていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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