NHK・BSプレミアムで日曜日の午後9時からオンエアされている『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』で、心が温かくなる演技を披露しているのがナ・イヌだ。
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このドラマの前半は、キム・ソヒョンが扮するピョンガン王女が刺客にまで成り代わってしまい、非常に緊迫した場面が多かった。
それはピョンガン王女が記憶喪失になってしまったから仕方がないのだが、王女が一転して刺客になるので、演じるキム・ソヒョンもどうしても厳しい表情の連続になっていた。
しかし、ナ・イヌが演じるオン・ダルが天性の明るさを発揮して緊迫した展開を和らげていた。たとえば、オン・ダルはピョンガン王女の苦悩を一身に受け止めて、彼女に笑顔が戻るような雰囲気を作っていた。本当にオン・ダルというキャラクターは、『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』の前半で「救いの神」のような稀有な存在だった。
とにかく、オン・ダルは自分のことより愛する人を第一に考え、周囲の人を幸せに導くオーラを持っていた。そんな人物像をナ・イヌが独特の柔らかい感性で演じきっていた。
そんなナ・イヌに、栄光の瞬間がやってきた。2021年12月31日、ソウルで行なわれたKBS演技大賞にナ・イヌは颯爽と登場したが、彼は満を持して二つの賞を堂々と受けた。
一つは新人賞である。彼の俳優としてのキャリアを考えると、もっともふさわしい賞かもしれない。
同時に、キム・ソヒョンと共にベストカップル賞も受けていた。これは、ナ・イヌにとっても本当にうれしかったことだろう。主人公としてキム・ソヒョンと一緒に並ぶことができたのだから。
ナ・イヌの素晴らしい演技はこうして称賛されたのである。
NHK・BSプレミアムでの放送も、いよいよ後半に入っていく。ナ・イヌが演じるオン・ダルもピンチを迎え、愛するピョンガン王女が政略結婚させられそうになってしまう。その窮地をどうやって切り抜けていくのだろうか。オン・ダルの奮闘ぶりから目が離せない。
そして、いよいよ佳境に入っていく『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』の今後の展開が楽しみだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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