韓国で放送されている時代劇を長く見てきて、「彼女は本当に彗星のように現れてきた女優だなあ」と思ったのがチン・セヨンだった。
彼女の登場は、ある意味でセンセーショナルでもあった。なにしろ、「時代劇の巨匠」と称されるイ・ビョンフン監督に抜擢されて、キャリアがまだ少ない中で『オクニョ 運命の女(ひと)』の主役を担ったのだ。
彼女にとっては、思いもよらぬ大役であったことだろう。しかも、イ・ビョンフン監督は新人女優に対する演技指導が大変厳しいことでよく知られている。
果たして、無事に大役を務められるのか。
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そんな心配もあったのだが、チン・セヨンは見事にイ・ビョンフン監督の期待に応え、人気ドラマの主役を堂々と務めた。
こうなると、次々に出演作が持ち込まれてくるが、彼女が満を持して選択したのが、同じ時代劇の『不滅の恋人』だった。
このドラマでは王子2人に同時に愛されるという難しい演技を強いられたが、持ち前の明るさでヒロインを気丈に演じきり、壮大な歴史劇を立派に導いていった。
実績を築いて「時代劇クイーン」と呼ばれるようになったチン・セヨン。さらに彼女は『カンテク~運命の愛~』で1人2役を演じて、国王に愛されるという究極の王朝ロマンスを成功させた。
その後、『ボーンアゲイン~運命のトライアングル~』で現代劇に戻り、主役としてドラマを大いに盛り上げた。
そんなチン・セヨンは、2021年に果たして何をしていたのだろうか。
実は、今年の彼女は大学を卒業していたのである。
もともと2012年に中央大学の演劇映画学科に入学していた。
しかし、女優の仕事が忙しくなり、講義に出席することもままならなかった。
それでも、かならず卒業したいという強い意欲を見せていたチン・セヨンは、コツコツと単位を取り続け、入学してから9年目となる2021年に学業をすべて終えた。そして、卒業証書を受け取ることができたのである。
ようやく学士となったチン・セヨンは、これで心置きなく女優の仕事に専念できる。
彼女のもとには主演作のオファーも寄せられているが、いまは検討中の段階だ。来年にはファンにいい知らせができるだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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