ハ・ジウォンが主演した時代劇の『奇皇后』は全51話で制作されて、2013年から2014年まで韓国で放送された。
高麗王朝の出身でありながら、中国を支配した元の皇后にまで上り詰めた実在の女性を大胆に描き切ったドラマだった。
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とにかく、キャスティングがすばらしかった。
ハ・ジウォンは美しき奇皇后を演じ、チュ・ジンモは高麗王朝の国王だったワン・ユに扮した。そして、元の皇帝だったタファンを演じたのはチ・チャンウクである。
出演者が豪華だったし、高麗王朝と中国をめぐるストーリーも面白かったので、韓国で放送時では視聴率29.2%を記録している。
また、放送されたときのMBC演技大賞ではハ・ジウォンが大賞を受賞し、さらには脚本家賞まで総なめにする勢いで七冠を成し遂げた。まさに、センセーショナルな話題を振りまいている。
こうした受賞の実績を見ても、『奇皇后』がどれだけすごいドラマだったかがわかる。
ただし、もともと奇皇后は歴史上では悪女のイメージがとても強かった。
元の皇后になったという地位を利用して、高麗王朝の権力そのものを一族で牛耳ってしまおうと暗躍したのが奇皇后だったと言われている。
とはいえ、ドラマ『奇皇后』では、史実で書かれている話を活かしながら、そこに大胆な創作を加えて奇皇后という女性に新しいイメージを付け加えている。
特に、高麗王のワン・ユと元の皇帝タファンの愛憎劇を奇皇后の立場から描くことで、エンターテイメントとして大いに完成度を高め、ドラマをスリリングに彩っている。
こうして、『奇皇后』は多くの視聴者に好評を博したわけだが、奇皇后が貢女（コンニョ／高麗王朝から元に送られた女性のこと）として元に行ったというストーリーも、奇皇后の波乱万丈の人生を物語っていた。
結局、貢女から皇后まで上り詰めるというサクセスストーリーは、他では絶対にありえないことだろう。
それを本人の努力と才覚で成し遂げたというところに、奇皇后のとてつもない存在感があった。
そうした奇皇后の生き方をドラマでぜひ味わってみよう。
文＝大地 康
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