『100日の郎君様』でド・ギョンスが演じるイ・ユル(世子)の妻(世子嬪)として登場するのがキム・ソヘである。女優のハン・ソヒが扮している。
キム・ソヘは、『100日の郎君様』で悪徳のかぎりを尽くしているキム・チャオンの娘だ。キム・チャオンは王朝を支配する黒幕なので、キム・ソヘも政略結婚によってイ・ユルに嫁いでいる。
けれど、イ・ユルはキム・ソヘをまったく無視している。彼には忘れられない初恋の人がいるので、他の女性に関心がないのだ。
しかも、キム・ソヘは悪徳高官の娘なので、イ・ユルにとってキム・ソヘは嫌悪の対象でしかない。
キム・ソヘもそんなことは百も承知だった。彼女は世子嬪になっていながら、ただ父親の言うがままになっているだけだった。
かくして、仮面夫婦になってしまった世子と世子嬪。
そんな中でイ・ユルが行方不明になり、ついにはキム・チャオンによって死んだことにされてしまった。このあたりの修羅場をキム・ソヘも悪意をにじませながら演じきっていた。
何から何まで父親の言いなりになっていたキム・ソヘ。どう考えても、彼女自身も犠牲者の1人なのだが、ハン・ソヒはそんな不遇の世子嬪を感情を抑えて演じていた。
本来なら美貌を持った世子嬪だったので、配役が違っていれば、好感の持てる愛すべきキャラクターになったかもしれない。
けれど、『100日の郎君様』ではあくまでも憎まれ役として重要な場面でキム・チャオンの悪行に加担していた。
そんな役柄が後半になってどう変化を見せていくのか。展開に応じて見せるキム・ソヘの移り変わりを注視していきたい。
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
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