20年以上も前に日本で爆発的な韓流ブームが起きた。そのときの立役者の1人がユン・ソクホ監督である。彼が卓越した演出力を発揮して2002年に制作した『冬のソナタ』は、ペ・ヨンジュンとチェ・ジウという主役カップルが大人気となって、日本でも大ヒットした。それによって、ユン・ソクホ監督の名前も一気に日本で有名になった。
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2004年1月にユン・ソクホ監督にソウルでインタビューしたが、繊細で抒情的な演出スタイルを誇るだけに、知性的で創造性豊かな受け答えを見せてくれた。取材していて「さすが名監督!」と心から感激した。
ユン・ソクホ監督は記念碑的な『冬のソナタ』の前に『秋の童話』(2000年)を大ヒットさせており、『冬のソナタ』以降も、2003年の『夏の香り』、2006年の『春のワルツ』と演出した。以上の4作品は「四季シリーズ」として韓国ドラマ史に残っている。
その後、ユン・ソクホ監督はブランクを経て2012年に『ラブレイン』を演出。チャン・グンソクとユナ(少女時代)の主演コンビが大評判となった。
長くテレビドラマの世界で活躍したユン・ソクホ監督はスクリーンにも進出し、2017年には映画『心に吹く風』のメガホンを取った。
さらに、2024年には映画『夏の終わりのクラシック』を演出。主演はキム・ジヨンとペ・スビンで、日本でも2025年10月に公開された。伊吹有喜の小説『風待ちのひと』を原作にしており、夏の終わりの済州島(チェジュド)を舞台に、大人の男女の切ない恋をクラシックの名曲で彩っている。
「この映画が、人生に疲れている人たちや心に傷を抱えている人たちの癒しになってくれたらいいなあ、と思っています」
このように語っているユン・ソクホ監督。誠実な人柄がにじみでるような映画になっている。
なお、「ユン・ソクホ監督は名作『冬のソナタ』の劇場版を編集中」という消息が2025年前半に伝えられていたが、その公開も大いに期待されている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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