『ウンスのいい日』第1・2話レビュー、イ・ヨンエが体現する崩壊と覚醒

このエントリーをはてなブックマークに追加

韓国KBS2で放送され、U-NEXTで配信中の『ウンスのいい日』は、平凡な主婦カン・ウンス(演者イ・ヨンエ)が、夫の病や借金に追い詰められ、偶然手にした“薬物入りのかばん”をきっかけに犯罪の闇へ足を踏み入れてしまう姿を描いたヒューマン犯罪スリラーである。

【写真】女優イ・ヨンエ、休暇中の姿を公開!リラックスした笑顔が“素敵”

第1話では、ウンスが夫の借金と重い病気という二重の絶望に直面する姿が描かれる。家族を守るために必死に道を探す彼女の前に現れたのは、巨額の麻薬が詰まった謎のカバン。警察に通報するか、それとも利用するか、彼女の心は揺れ動く。

やがてクラブで出会った美術教師イ・ギョン(演者キム・ヨングァン)が、裏では「ジェームズ」と呼ばれる麻薬ブローカーだと知り、ウンスは思い切った決断を下す。

「一緒にやりましょう」と取引を持ちかけた瞬間、平凡な日常は完全に壊れ、彼女は危険な世界へと足を踏み入れることになる。

見どころは、イ・ヨンエが演じるウンスの葛藤と決壊の瞬間だ。夫への慟哭、母としての必死な愛情が観る者の胸を打ち、日常から非日常へ転落していく緊張感が強烈に心を掴む。

『ウンスのいい日』
(写真=韓国KBS)

背後から迫る恐怖

第2話では、ウンスとイ・ギョンの危うい関係が本格的に動き始める。供給契約を交わそうとするが条件は彼に有利で、ウンスは反発しながらも「自分の価値を高めれば再交渉を」と粘り強く食い下がる。

病床の夫に「どんな私でも見ていて」と語る場面は、彼女の優しさと覚悟が交錯する象徴的なシーンだ。一方で麻薬捜査チームが迫り、ウンスは命がけでギョンを守ろうとする。やがて500万ウォンを手にした彼女は、それを夫の治療費や娘のために使うが、その裏ではさらなる危険が迫っていた。

見どころは、母として家族を守りたい思いと、裏社会に身を投じる決意の狭間で揺れるウンスの姿である。彼女が初めて現金を手にした瞬間の安堵と、そこに潜む恐怖のコントラストが物語を一層スリリングにしている。

第1話と第2話を観て感じたのは、ウンスという女性が絶望の中で必死にもがき、母として、妻として、そして1人の人間として新しい道を選んでしまう瞬間の重みである。彼女が手にした500万ウォンの安堵と同時に、背後から迫る恐怖が観る者の心を強く締めつける。

平凡な日常が一瞬で崩れ去り、愛する家族を守りたいという思いが彼女をさらに深い闇へと導いていく様子に、次回がどう展開するのか息を呑むばかりである。

文=大地 康

【関連】“韓国女優初の焼酎モデル出身” イ・ヨンエが放った“大女優の品格”

【関連】『ウンスのいい日』キム・ヨングァンが魅せる危険な二重生活

【関連】『ウンスのいい日』が描く緊迫の人間ドラマ、パク・ヨンウが挑む危険な真実

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事