全世界で社会現象を巻き起こしたNetflixシリーズ『イカゲーム』のシーズン2がついにベールを脱いだ。
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キャスト、スケール、制作費など、あらゆる面でシーズン1を超える豪華さでのカムバックだったが、蓋を開けてみると、満足と失望が交錯する複雑な出来栄えだった。
シーズン2は、復讐を誓い再びゲームに挑む「ギフン」(演者イ・ジョンジェ)と、それを迎え撃つ「フロントマン」(演者イ・ビョンホン)の激しい対決、そして新たに始まるゲームを描いている。
シーズン1は、社会問題を反映したストーリーと衝撃的な展開で、Netflix史上最高の収益を記録。韓国国内だけでなく全世界で空前の人気を博した。
しかし、当初は続編の予定がなかっただけに、シーズン2の公開が発表されると、期待と同時に懸念の声も上がっていた。
中でも、過剰とも言える豪華キャストのラインナップが不安要素として挙げられた。
『イカゲーム』の設定上、ラウンドごとに脱落者や死亡者が続出せざるを得ないのだが、イ・ジョンジェ、イ・ビョンホン、イム・シワン、パク・ギュヨン、イ・ジヌク、パク・ソンフン、ヤン・ドングン、チョ・ユリら有名俳優たちの集結が、ストーリーの進行が妨げられるのではないかとの懸念もあった。
このように期待と不安が入り混じる中で公開されたシーズン2は、まさに満足半分、失望半分の複雑な出来栄えだった。
(※以下、ネタバレあり)
物語は、シーズン1で優勝を果たした後、2年間も「面子おじさん」(演者コン・ユ)を地下鉄で探し続けていたギフンと、兄(=フロントマン)に銃撃されるも奇跡的に生還した刑事「ジュノ」(演者ウィ・ハジュン)がゲームの開催地である島を探し回っている姿から始まる。
再びゲームに接近しようとするギフンとジュノの合同作戦は興味深く、シーズン1では見られなかった新しい展開に新鮮な魅力が感じられる。
ゲームで生き延びた後も苦悩に苛まれるギフンを立体的に表現したイ・ジョンジェの演技も印象的だ。
しかし、2年間も同じ目的に取り組んだにしては準備が粗雑に見える点は疑問を抱かせるが、ギフンが元々は普通の庶民であったことを考えると、理解でなくはない。
ただし、このようなギフンの「普通さ」は、再びゲームに参加してからは歯がゆさを引き起こす。
「世の中が君たちの思う通りには動かないことを証明してやる」と豪語していたギフンだが、ゲーム内の状況をしっかり予測できなかったり、シーズン1で001番の参加者であるオ・イルナム(演者オ・ヨンス)がゲームのホストだったことが明かされたにも関わらず、今回も001番として参加したフロントマンの正体を疑わず裏切られるなど、視聴者をイライラさせる場面も多かった。
また、豪華なキャストも一部逆効果となった。
俳優たちは多様な人間像を興味深く描き出し、主要キャラクターの物語もそれぞれ十分な描写がなされた。しかし、あまりに「十分すぎる」物語が割り当てられた結果、各ラウンドで斬新なゲームが展開されても、知名度の高い俳優たちがなかなか脱落しないことが予測され、ゲーム自体の緊張感が削がれるという結果を招いた。
視聴者は「この俳優はここでは死なないだろう」と予想できてしまい、脇役たちの悲惨な犠牲を目の当たりにしても、あまり緊張感は走らない。
終盤に向かうにつれ、ギフンとフロントマンの緊迫した心理戦の代わりに銃撃戦が繰り広げられる展開には戸惑いも覚えるが、シーズン2には確かな魅力もある。
新たに導入された「ゲーム中断投票」システムを通じて見られる人間模様は、政治や理念で二極化した韓国社会を象徴しているようで意味深だ。
巨大なゲームシステムに反抗しながらも挫折する「小市民」ギフンの再失敗も、それ自体で一定の意義を持つ。さらに、最後まで飽きさせることなく興奮を与える「ドーパミン満載」の作品であることも間違いない。
それでもなお、シーズン1の完成度には及ばず、物足りなさを感じさせる作品でもある。第7話という短い尺では描ききれなかった物語やディテールが多く、来年配信される予定のシーズン3に期待を託さざるを得ない状況だ。
『イカゲーム』シーズン2(全7話)は、Netflixで独占配信中。
(記事提供=OSEN/ユ・スヨン記者)
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