韓国時代劇の時代背景を見ていくと、「古代の三国時代や高麗時代」と「朝鮮王朝」という二つのジャンルに分けられる。前者は中国大陸や北方民族を巻き込んでスケールが大きい歴史が描かれるが、後者は国王や王妃を中心とする宮廷劇が多くなっている。その違いを比較しながら韓国時代劇を見ていけば、さらに興味深くドラマを見ることができるだろう。
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その中でも「古代の三国時代や高麗時代」にテーマをしぼると、奇皇后や千秋太后といった歴史に残る悪女がどんどん登場する。そんなキャラの強烈な生き方を取り上げているのが『新版 知れば知るほど面白い 古代韓国の歴史と英雄』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行)である。
たとえば、奇皇后は高麗王朝の出身で貢女(コンニョ)として中国大陸を支配する元に送られたが、並外れた才覚でついに元の皇后まで上り詰めた。立身出世という意味で彼女以上の女性はいない。
とはいえ、成り上がる際の手口があまりに辛辣だったので「極め付きの悪女」と呼ばれてしまったが、彼女にしてみれば異国で生きるために必死だったのだ。そんな史実を知れば、奇皇后が単純な悪女ではないと理解することができるだろう。
また、女帝のようにふるまった千秋太后も、王族の一員として権力を受け継がなければならない宿命を背負っていた。その立場に忠実に従った結果が恐ろしい悪女として歴史に名を刻まれてしまった。
さらに、本書ではピョンガン王女や善徳女王といった強烈な個性を持った女性たちの生々しい生き方が、朱蒙や広開土大王や王建といった偉大な国王と同列で論じられている。
加えて、『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』『花郎(ファラン) 希望の勇者たち』『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』などの傑作時代劇の歴史的な背景が史実に基づいて解説されている。
歴史は生きている。本書を読めば、そのことを如実に実感することができるだろう。
文=韓ドラ時代劇.com
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