韓国では、寒い真冬こそ冷麺をよく食べる。それが「旬」の代表的な食べ物だからだ。まさに、朝鮮王朝時代から受け継いできた食習慣でもある。
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決定的に影響しているのが「陰陽」という思想だ。
わかりやすく言えば、「陰」と「陽」は宇宙を構成する二大要素であり、これがバランスよく調和している状態が最高だ、と朝鮮半島では考えられてきた。
特に、朝鮮王朝が国教にした儒教は、「人間のからだは調和こそが一番大切だ」と見ていた。そのためには、二極化された「陰」と「陽」をかならず体内に取り込んでおくことが必要なのである。
そのうえで、最良の食事をするなら、暑いときに熱いものを食べ、寒いときには冷たいものを食べることが奨励された。
なぜならば、夏には身体の中の陽気が外に発散してしまい、からだの中に陰気だけが残るからだ。ゆえに、夏にはお腹を壊してしまうことが多い。それを防ぐためには、身体を中から温めてくれる食べ物がいいとされた。それで、韓国では真夏によくアツアツの参鶏湯(サムゲタン)を食べるのである。
実際、汗をかきながら食べる参鶏湯はからだに本当にいい。
それとは反対に、冬には身体の中の陰気が外に出てしまい、バランスが悪くなってしまう。そこで、冷たいものをたくさん食べて、身体の中の陰気を増やす必要があった。それでこそ、陰気と陽気のバランスがよくなるのだ。
そういう理由で真冬に冷たいものが良いとされ、冷麺が好んで食べられたのである。
こうして、冷麺は真冬に食べる代表的な料理となった。そんな朝鮮王朝時代の食習慣は現代の韓国でもしっかり受け継がれていて、人々は喜んで冬に冷麺を食べている。
実際、暖房が効いた温かい食堂で、ひんやりした冷麺を食べると、本当に美味しさが際立ってくる。そのときには、「冷麺は冬に食べるとさらにいいね」と心から実感できることだろう。
真夏の参鶏湯と真冬の冷麺は、朝鮮王朝時代に培った医食同源の代表例とも言えるだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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