時代劇『トンイ』では第30話で主人公トンイ(演者ハン・ヒョジュ)が承恩(スンウン)尚宮 (サングン)に昇格した。これは粛宗(スクチョン/演者チ・ジニ)が直接命令したことであり、トンイは自分が華やかな衣装を着て王宮に入ったことでびっくりしてしまった。
こうなると、一番焦ってくるのが張禧嬪(チャン・ヒビン/演者イ・ソヨン)であった。
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このように、トンイが承恩尚宮になったことはドラマに大きな波風を立てた。それにしても、承恩尚宮というのはどれほどの役職なのであろうか。
そもそも国王が気に入った女官と一夜を共にすることを「承恩」と呼んでいた。この「承恩」を受けて国王からそのまま寵愛されると、一介の女官でも立場が承恩尚宮となる。この段階ではまだ品階がつけられていないが、お付きの女官がついて特別な尚宮として丁重な処遇を受ける。
こうした特別な尚宮と言うと、女官たちの品行を調査する監察(カムチャル)尚宮や王族の身のまわりの世話をする至密(チミル)尚宮が有名だが、その中でも承恩尚宮は別格の扱いとなっている。
それほど重要な立場なのだが、肝心なのはその後の処遇である。もし国王の寵愛が続けば、いよいよ正式な側室になる。
王宮の女性たちを仕切る内命婦(ネミョンブ)の規定によると、品階のトップである正一品が嬪(ピン)であり、従四品の淑媛(スグォン)が側室の最下位となる。このように、正一品から従四品まで側室には8ランクの品階があるのだ。
そして、承恩尚宮が側室に昇格するときは、まずは淑媛になり、さらに上を目指していくことになる。もし王子を産むと嬪にまでのぼりつめることが可能だが、実際には道は大変険しいのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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