【『善徳女王』の歴史解説】重要な「聖骨」を知らなければドラマがわからない

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている時代劇『善徳女王』を見ていると、舞台となっている新羅(シルラ)の歴史用語の中で、「聖骨(ソンゴル)」がとても多く出てくる。特に、王族や重臣たちの会話の中に、「聖骨」がたくさん登場する。この言葉は何を意味しているのか。

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新羅の建国当初の話から「聖骨」のことを解説しよう。

新羅が建国されたのは紀元前57年である。当時、朝鮮半島南東部の慶州(キョンジュ)には、天から降臨したと伝えられる長者が治める6つの村があった。その長者たちが村の人たちを集めて、国王が統治する国を作ろうと話し合っていた。すると、蘿井(ナジョン)というところに稲妻が走り、白馬がお辞儀をしていた。

さらに、白馬のそばには紫色の卵があって、その卵から童子が生まれた。それが、新羅の始祖となる赫居世(ヒョッコセ)だ。このような神話から建国されたのが新羅なのである。

朴(パク)氏である赫居世が始祖として国を治めたが、後に王権が昔(ソク)氏によって受け継がれていき、356年に即位した奈勿王(ネムルワン)からは金(キム)氏が統治していくようになった。

以上の経過から、新羅では朴、昔、金が国王につながる三姓になっていた。

『善徳女王』
善徳女王も「聖骨」なので国王になれた(写真=(C)MBC)

国王を目指すための絶対条件

なお、新羅には「骨品(コップン)」と称される「血族を基にした身分制度」が存在していた。そして、父母ともに国王の血を引く朴、昔、金の三姓を持つ人が、名誉ある「聖骨」と呼ばれた。

一方、父系が「聖骨」になっていても、母系がそうでない場合は「真骨(チンゴル)」と称された。そして、ここが一番重要なのだが、国王になれるのは「聖骨」の人に限られていたのである。

それゆえ、もし国王を目指すのであれば、家系が「聖骨」であることが絶対条件になっていた。このように、新羅の王家というのは、極端に限定された一族だけが有資格者になっていた。後に「真骨」も国王になれるようになるのだが、それはずっと後の話であった。

文=大地 康

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