パク・ヒョンシクが演じる『青春ウォルダム』の世子は本当に兄を毒殺したのか

2024年05月29日 歴史 #康熙奉コラム #写真
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NHKの BSP4KとBSで放送中の『青春ウォルダム 呪われた王宮』では、パク・ヒョンシクが演じる世子イ・ファンが「呪いの書」によって兄を毒殺したと名指しされてしまった。それによってイ・ファンは精神的に苦しめられてしまう。

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このドラマは架空の設定だが、史実を見渡してみよう。朝鮮王朝において、兄への毒殺疑惑が取りざたされている国王が2人いる。それが7代王・世祖(セジョ)と21代王・英祖(ヨンジョ)である。2人にはどんな事情があったのだろうか。

1人目の世祖は4代王・世宗(セジョン)の二男であり、長男は文宗(ムンジョン)だった。兄は1450年に即位したが、2年で急死してしまった。当時は、世祖が毒殺したのではないか、という疑いがあった。

しかし、確証がえられないまま、文宗の長男が6代王・端宗(タンジョン)として即位したが、世祖は甥の端宗を脅して王位を奪ってしまった。

このように、強引な手口で自分の野望をかなえようとした世祖だけに、兄の毒殺も可能性が高いと後世の人たちは考えていた。

青春ウォルダム
画像=tvN

毒殺疑惑のある国王

今度は2人目の英祖(ヨンジョ)について。

異母兄の景宗(キョンジョン)は1720年に即位したが、わずか4年で急に亡くなってしまった。すかさず、王宮の中で英祖が毒殺したのではないか、という疑惑が深まった。

英祖には異母兄に代わって国王になりたいという野望があり、食べ合わせがよくない「蟹と柿」を景宗に勧めたということも根拠になっていた。この疑惑は反乱まで誘発しているが、即位した英祖が強引に疑惑を打ち消した。

以上が史実の出来事なのだが、『青春ウォルダム 呪われた王宮』において世子のイ・ファンは「兄を毒殺した」という疑惑を晴らす必要があった。そこもまた、このドラマのミステリアスな部分になっていた。

【『青春ウォルダム 呪われた王宮』ドラマ概要】
〔放送日時〕 
●NHK  BSP4K  毎週日曜午後9時00分 
●NHK  BS    毎週金曜午前0時25分[木曜深夜] 
〔役名/出演者〕
イ・ファン/パク・ヒョンシク
ミン・ジェイ(コ・スンドル) /チョン・ソニ
チャン・ガラム/ピョ・イェジン)
ハン・ソンオン/ユン・ジョンソク)
キム・ミョンジン/イ・テソン)
テガン/ホ・ウォンソ)

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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