日曜日の午後11時から放送されている『ヘチ 王座への道』。このドラマの第16話で、ハン・サンジン演じるウィ・ビョンジュが、流刑の後に王から賜死(ササ)を命じられるシーンがあった。
朝鮮王朝には、他にも様々な死罪の方法があるが、その中の1つである賜死は、王自らが罪人に毒薬を与え、自ら命を絶たせるという方法で行なわれる。さらに、これは王族などの身分の高い者たちに対して行なわれ、普通の死刑よりも温情のある措置とされた。
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ちなみに、『ヘチ』以外にも賜死による死罪のシーンが描かれている作品がある。それがハン・ヒョジュ主演の時代劇『トンイ』で、賜死の受けたのは「朝鮮王朝三大悪女」の1人張嬉嬪(チャン・ヒビン)だ。
張嬉嬪と言えば、一度は19代王・粛宗(スクチョン)の王妃となり、わがままに過ごしていた。しかし、淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏が現れたことで、張嬉嬪は1694年に王妃から側室に降格させられてしまう。
その理由は、粛宗が淑嬪・崔氏の「仁顕(イニョン)王后を王妃に戻してほしい」という頼みを聞き入れたからだ。
しかし、その仁顕王后は病弱だったため、1701年に34歳で世を去ってしまうが、彼女の死後に淑嬪・崔氏の告発によって、張嬉嬪が呪詛(じゅそ)していたことが明らかになった。
そのことに激怒した粛宗に自決を命じられた張嬉嬪は、王から毒を賜る賜死によって世を去った。ちなみに、この死罪の方法は賜薬(サヤク)とも呼ばれている。
ちなみに、その張嬉嬪や粛宗、淑嬪・崔氏が登場する『トンイ』はBS日テレで現在放送中である。
『ヘチ』と『トンイ』を見て、実際に賜死がどんな感じなのかを改めて確かめてみるのもいいだろう。そして、今後『ヘチ』の物語はどう展開されていくのだろうか。
文=大地 康
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