ドラマ、ラブストーリー、サスペンス、バイオレンス、ファンタジー、ホラーなど、実にさまざまなジャンルで完成度の高い作品が軒並みに作られている韓国映画。
今年はポン・ジュノ監督の映画『パラサイト~半地下の家族~』がアカデミー賞で作品賞に輝くなど、「韓国映画はすごい!」と世界の映画ファンたちがその凄さを認めているが、韓国映画の中でも歴史映画は何かと人気が高いジャンルでもある。
「韓国の歴史モノ」と聞くと、誰もが時代劇ドラマを想像するかもしれない。実際、『チャングム』や『トンイ』など、今まで数々の時代劇ドラマが日本で話題となり、地上波、BS問わず放送されているほどである。
だが、韓国では時代劇ドラマに負けず劣らず、歴史映画も人気だ。特に21世紀になってからは歴史映画が確かな盛り上がりを見せている。
そのきっかけとなった作品がある。それは2005年に公開された『王の男』だ。
それまで韓国では『シルミド』と『ブラザーフッド』など「南北モノ」が歴代興行ランキングの上位にあったが、『王の男』はその2作品に続いて韓国映画史上3番目に観客動員数1000万人を達成したのだ。
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『王の男』は「歴史映画はヒットする」ということを確信させ、新たな潮流を生み出した記念碑的作品といえるだろう。
しかも、その後も歴史映画は躍進していく。
『神弓-KAMIYUMI-』が700万人、『王になった男』が1200万人、『観相師』が900万人、『パイレーツ』が800万人と、すべてが700万人以上の観客動員に成功したのだ。
しかも『バトル・オーシャン』の観客動員数は、韓国映画史上の最高記録となる1700万人だ。
なぜ、韓国では時代劇映画が強いのか。その理由はさまざまだろうが、韓国で多くの歴史映画が成功を収めている背景には、2時間という制限された枠ですべてを描ききる映画の特徴もある。
また、ドラマに比べ映画は多額の制作費を投じることができるため、ドラマ以上のクオリティも発揮できる。
また、作品によっては単なる歴史モノというジャンルに限定されず、そこにサスペンスやラブストーリーという味付けも十分に含めることができるのだ。
今や作品性はもちろん、興行性もある韓国歴史映画。歴史もの好きであるのならば、絶対に見ておきたい。
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