韓国時代劇の名作とひとつである『トンイ』。現在はテレビ東京の韓流プレミアで放送中だが、回を重ねるごとにその存在感をジワリジワリと発揮しているのがチョンス役を演じているペ・スビンだろうか。
実はペ・スビンは2011年10月に来日して、東京の韓国文化院で『トンイ』に関する記者会見をハン・ヒョジュと一緒に行なった。ここではペ・スビンの発言を再録してみよう。
―撮影は大変でしたか。
「付け髭を付けたまま3日間撮影をしたことがあります(笑)。ちょっとおかしな話に聞こえるかもしれませんが、それは3日間顔を洗うことができなかったことにもなります(笑)」
―チョンスのアクションシーンはかなり練習されたのですか。
「撮影に入る前に、アクションスクールにも長い間通いましたし、武術の練習もしました。撮影の合間にもたくさんアクションが出てきますので、僕が出演したシーンの80%くらいはアクションだったのではないかと思います」
―ドラマの中で、印象に残っている場面はありますか。
「私が演じたチョンスが、前半の最初のあたりで絶壁から落ちるシーンがあります。敵と戦って下に落ちてしまうのですけれども、あのシーンは1日で撮影が終わったわけではなかったんです。あの絶壁を3回から4回くらい上がって、落ちるところはワイヤーを使ったアクションで撮影し、水の中に入っていくところは水中撮影をしました。結局、あの1つのシーンを撮るために半月くらい掛かり、本当に苦労しました」
―水の中に落ちるシーンの撮影では、重りか何かを付けて沈んだりしたのですか?
「はい、そうです。重りをつけて、ワイヤーに吊られた状態で、そこから落ちるという撮り方しました」
―共演したチ・ジニさんにはどんな印象をお持ちですか。
「チ・ジニ先輩は本当に愉快な方で、スタッフや共演している俳優のみんなにポジティブなエネルギーをくれる方なんですね。ですから、大変な撮影のときでも、チ・ジニ先輩から元気をいただきました」
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―チョンスという役にはどんな愛着がありますか。
「この『トンイ』というドラマに出演をして、泣いたことがあります。それは人を大切にして、人を守るのは本当にいいことだということなんですけれども、それをドラマでも現実の中でも実践するのは大変だなあ、と感じました。私もチョンスを見習って、大切なのは人を守ることであり、人を守れるように努力しようと思いました。そういうことをドラマで学びました」
このように撮影当時の様子を語っていたペ・スビン。画面で見たとおりの誠実な人柄だった。
構成=康 熙奉(カン・ヒボン)
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