高麗時代を舞台に繰り広げられるアクション&医療時代劇として有名な時代劇ドラマ『シンイー信義ー』。100億ウォンの制作費が投じられ、日本でも話題になった。
この『シンイ』で主人公のチェ・ヨンを演じたのがイ・ミンホだ。チェ・ヨンは高麗時代に実在した武将だが、イ・ミンホ演じる劇中のチェ・ヨンは2012年のソウルにタイムスリップしてしまうことによって、物語が動き出す。
イ・ミンホはこの『シンイ』の主役のデビュー7年目で掴んでいる。
多くの人が俳優になるために挑戦するが、成功するのはごくわずかだ。その中でチャンスをしっかりモノにしたのがイ・ミンホだった。彼は、高校時代から俳優になることを決心し、芸能事務所を訪ねた。そして、演技トレーニングと適切な進路指導を受けた。
イ・ミンホは2006年にドラマ『秘密の校庭』でデビューし、ドラマ『走れサバ!』(サバとは高校生を指す俗語)、『アイ・アム・セム』、映画『カン・チョルジュン 公共の敵1-1』などに出演した。
確かに主役ではなかったが、デビュー以来たえず多くの作品に出演できたのは、彼が早くから所属事務所を通じて演技活動をしていたからだ。そして、『花より男子~Boys Over Flowers』で大ブレークした。
初めて『花より男子』のキャスティングが発表されたとき、他の出演者に比べて認知度が高くなかったイ・ミンホについて、懐疑的な視聴者もいた。実際、初回の放送直後、彼は様々な批判に耐えなければならなかった。
しかし、放送2回目で、彼に向けられていた批判はおさまり、以降は好感度が高くなった。時々見せる子供のような無邪気さは、彼を可愛くも感じさせた。
一見シンプルなキャラクターに見えるが、その中で微妙に変化していくイ・ミンホの姿を見て、魅了される女性ファンも増えた。
こうしたことが起こったのは、イ・ミンホに繊細な演技力があったおかげだ。
最初から疑いの目で見ている視聴者というのは、俳優を好意的に評価しようとするより、どうしても悪い点を見つけようとする。そんな視聴者の心を一瞬に虜にしたことだけで、イ・ミンホの演技力は十分立証されたといえるだろう。
彼が先輩たちに比べて若いなりに安定的な演技力を手に入れたのは、早く自分の道を定めて邁進してきたからだ。
出演作品の選定も先輩たちとは違った。
多くの先輩俳優たちはドラマと映画を分けて、ドラマで実力を身につけてから、映画に進出する順序を守ってきた。しかし、イ・ミンホの場合は、2006年にデビューしてから、ドラマだけではなく何本もの映画にも出演している。
若いにもかかわらず、安定した演技力と柔軟な作品選択を見せたイ・ミンホ。彼は、先輩たちが敷いてきたレールをただ追うのではなく、自分だけの道を探し出して歩んできたのだ。
『花より男子』でスターダムに上がり、以後も『シンイ-信義-』や『相続者たち』といった話題作に主演してスター街道を驀進してきた。周囲に言われるままに動くのではなく、自分が求めているものを得るために必要な技量を磨いて感覚を養ってきた賜物だ。
俳優が自ら常に変化しようと努力する姿は、ファンにとってこれ以上ないほど頼もしい。イ・ミンホが新世界を見つけたなら、ファンは関心と期待をもって彼の変化と成長を追い続けるだろう。
しかも、彼はイメージや演技だけではなく、自分自身をファンにアピールする能力が高い。そこに、人気が持続している理由があるのだ。
そのイ・ミンホは『青い海の伝説』に主演したあと、兵役に入り、社会服務要員としてソウル市内の福祉施設で服務を続けた。そして、2019年4月25日に兵役を終えて芸能界に戻ってきた。
彼の復帰作となったのは、韓国で2020年4月17日から6月12日まで放送された『ザ・キング:永遠の君主』だ。
このドラマは韓国随一の脚本家とも言われるキム・ウンスクの作品で、イ・ミンホは『トッケビ』でさらに評価を高めたキム・ゴウンと共演した。
今後、彼がどんな作品に出演するのか期待しながら待っていよう。
♢イ・ミンホ プロフィール
生年月日:1987年6月22日生まれ
身長:187cm
星座:かに座
出身校:建国大学 映画芸術学科
☆主な出演作
『秘密の校庭』(ドラマ、2006年)
『走れサバ!』(ドラマ、2007年)
『アイ・アム・セム』(ドラマ、2007年)
『カン・チョルジュン 公共の敵1-1』(映画、2008年)
『花より男子~Boys Over Flowers』(ドラマ、2009年)
『個人の趣向』(ドラマ、2010年)
『シンイ-信義-』(ドラマ、2012年)
『相続者たち』(ドラマ、2013年)
『青い海の伝説』(ドラマ、2016年)
『ザ・キング:永遠の君主』(ドラマ、2020年)
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