『鉄の王キム・スロ』は、海上貿易と鉄器文化で約600年間にわたって栄えた伽耶(カヤ)国をテーマにし、建国の始祖であるキム・スロ(金首露)の誕生から王になるまでのストーリーを描いたドラマだ。
韓国ドラマ史上、伽耶の歴史を描くのは初の試み。伽耶の歴史にはいまだに謎が多く、キム・スロの誕生も神話として語り継がれていることから、いまいち人物像がハッキリと見えてこない。
だが、それらをドラマ制作陣の手で、歴史書に登場する人物に新たな命を吹き込むように、感情豊かなキャラクターを作り出すことに成功した。なかでも、ドラマ人気を引っ張っているのが、主人公のキム・スロ演じるチソンだ。
それ以前にもドラマ『王の女』で主人公の朝鮮王朝の第15代王・光海君(クァンヘグン)を演じていて、すでに時代劇の出演経験はあったが、『鉄の王キム・スロ』でも貫禄たっぷりの王を演じている。
優れた鉄器製造技術によって栄えていたカヤ国。だが、国王はおらず、9つの村の部族長たちの合議制で成り立っている状態だった。
ある日、北方から来た女の息子が王になるという予言を受けた祭祀長。難破して流れ着いた船のなかにチョンギョン(ペ・ジョンオク)という女性がいて、祭祀長は彼女に求婚する。
チョンギョンも自分の子が王になると信じ、祭祀長を受け入れてイジナシを産み、王になる教育をほどこしていった。
だが、予言のあるじは別人だった。それはチョンギョン妃が産みながらも、難破船の中で死んだと思われたキム・スロ(チソン)だった。浜辺で拾われたスロは、鍛冶長のチョバン(イ・ジョンウォン)の子として優秀な職人に成長していた。
もちろん、スロは自分が王になるなどとは思っていない。だが、運命は彼に王への道を示し、数々の試練を与えていくようになる。
やがてスロは、王になると信じているイジナシ(コ・ジュウォン)と部族長のひとりシングィガン、ひそかに野望を燃やすソク・タレ(イ・ピルモ)も加わり、熾烈な戦いを繰り広げていく。
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