Disney+で配信中の『埋もれた心』で主人公ソ・ドンジュ役を演じるパク・ヒョンシクが話題だ。これまでの優しく繊細なイメージを覆し、野望と復讐心を抱くキャラクターで新しい挑戦に挑んだのだ。
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俳優として新境地を開いた彼が、「韓ドラ・時代劇.com」のためのオンラインインタビューに応じてくれた。インタビュー全文は以下の通り。
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――『埋もれた心』で「ここは特に注目してほしい」という部分はありますか?
「ホ・ジュノ先輩やイ・ヘヨン先輩など、ベテラン俳優たちと僕という組み合わせがもしかしたら新鮮に映るんじゃないかなと思いますね。あと、言葉にしなくても目つきや雰囲気で語る、男同士のやり取りは、男性の方ならきっと『だよな~』と共感していただけると思います。もちろん女性の方なら、これまでは見られなかった僕の表情や雰囲気を楽しんでいただけそうな気がします」
――演じられたソ・ドンジュは、ただの善人とも、悪人とも言えない複雑なキャラクターに見えます。彼をどのように分析し、理解して演じられたのでしょうか。
「僕がソ・ドンジュに最も魅力を感じたのは、彼がとても現実的なキャラクターだということでした。これまで演じてきたのは、強い正義感を持っていたり、自己犠牲を厭わないキャラクターが多かったとすれば、ドンジュは損得をしっかり計算するし、好き嫌いもはっきりしています。夢も愛も両立できるという欲もあるので、そこがとても魅力的だし、立体的な人物に見えました。仕事で高みを目指したいし、恋もしたい。それってごく一般的な、リアルな感覚じゃないですか。だから今回、多少ファンタジー的なキャラクターではなく、現実的なキャラクターをお見せできそうで、嬉しかったですね」
――とても現実的でありながら、大人の香りが漂う役柄だったのも新鮮でした。このようなイメチェンに対して、何か不安はありませんでしたか。
「もちろん不安はありました。人々が僕に求める姿はこれじゃないかもしれない、という心配はありましたね。でもそれ以上に、俳優としてさまざまなジャンルやキャラクターに挑戦することも大事ですし、個人的にもドンジュを演じ切りたい、挑戦したいという気持ちが強かったです。そんな僕に対して、先輩方も「すごくいいね」「よかったよ」と褒めてくださって、自信を持って撮影に臨むことができました」
――放送前からホ・ジュノさんとの演技合戦が期待されていました。実際に共演してみて、いかがでしたか。
「実は、10年前に一度、アメリカでホ・ジュノ先輩にお会いしたことがありました。その時はすごく短い交流でしたが、今回の撮影で再会した時、先輩から『覚えてるか? アメリカで一度会ったよな』と声をかけてくださったんです。そこからすぐに打ち解けて、アドバイスもたくさんいただいて、とても可愛がってもらいました。でも、いざ撮影に入ったら、あの優しくてイタズラ好きの先輩が一変し、鳥肌の立つヨム・ジャンソンが座ってるんです。その演技を目の当たりにして、尊敬の気持ちがさらに深まりました」
―― 今回の作品には、ベテラン俳優の方も多数出演しています。これまでの作品と比べて、現場の雰囲気に違いはありましたか?
「実は僕が約10年前に出演した『家族なのにどうして~ボクらの恋日記~』というドラマでも、先輩方がとても多かったです。なので10年ぶりにまたこういう現場にいるのが感無量でしたね。『家族なのにどうして』で共演したキム・ジョンナム先輩と10年ぶりにまたお会いできたのも、すごく感動でした。先輩からすれば、あの豆腐屋のダルボンくんがこんなに大きくなったんだ!みたいな(笑)。『はい、10年間頑張りました!』みたいな感じで僕がご挨拶すると、すごく感慨深そうな様子でしたね。そういう温かい雰囲気のおかげで、現場のチームワークもとても良かったです」
――劇中で最も印象に残っているシーンはありますか?あるとしたら、どんなシーンでしょうか?
「第3~4話に登場するシーンなのですが、海の上での撮影が特に印象に残っています。視聴者はもしかしたらセット撮影だと思われるかもしれませんが、実際に海に行って、波に揺れる船の上で撮影しました。僕、本当に海で撮るとは思ってなくて、みんなで苦労したのですが、その分、本当に美しい映像が撮れましたね。ぜひ美しい風景に注目して観ていただけたら嬉しいです」
――『埋もれた心』に込められた、究極のメッセージはなんでしょうか?
「僕たちの目標や夢を「宝島」だとすれば、もし僕とあなたの宝島が同じで、そこへ向かう道が重なり、僕があなたの宝島を奪わなければならない。そんな状況になって、人間の欲望や野望が限度を超えてしまうと、どれほど無慈悲になり、人間性を捨てることになるのか…。ある意味、僕たちが生きる時代の状況が反映されていると言っても過言ではありません。また、競争の激しい今の時代、僕たちはどんな宝島へ向かうべきか、その問いかけも込められていますね。最後まで見ていただくと、きっと色々考えさせられる作品だと思います」(了)
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