韓国ドラマを見ていると、主人公の男性が財閥家の御曹司であることが多い。なぜここまで御曹司がたくさん出てくるのか。そこには、韓国らしい理由がある。
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そもそも、韓国社会の中で財閥はどういう存在なのだろうか。
歴史的に財閥の多くは、朝鮮戦争の特需をきっかけに成長した企業が母体になっている。当時の三星(サムスン)、現代(ヒュンダイ)、ラッキー金星(現在のLG)などが該当している。軍事政権時代には、政府と癒着関係にある企業がさらに伸びていった。経済活動に対する政治の関与がとても強かったからである。
その後、財閥は韓国経済を引っ張っていく巨星になっていった。こうした財閥は、創業者による同族世襲経営がとても多い。その末に、財閥家の暴走を許す結果になってしまった。こうなると、韓国の人たちの財閥に対する考え方は複雑にならざるを得ない。
まずは、憧れがある。高収入のエリートたちが働く財閥はステータスがあり、若者たちも羨望の眼差しで見つめている。一方で、批判も強い。特に、財閥家の横暴なふるまいが不祥事となってマスコミを賑わすと、一気に反感を生んでしまう。このように、財閥は「羨望」と「批判」の両方を受けているのだ。
こういう背景がありながら、ドラマが制作されるときに、男性主人公が財閥家の御曹司になることが目立つ。
韓国で財閥家の御曹司は、「徹底的に甘やかされて育った我がまま人間」というイメージがある。これは、むしろドラマにとって都合がいいのだ。財閥家の御曹司を主人公にすると、キャラが立った面白い人物設定ができるからだ。
しかも、スケールの大きい舞台設定ができる。豪邸、巨大な本社ビル、別荘、ブランド品に囲まれた生活……など、見栄えがとても良くなる。さらに、財閥家の御曹司は恋愛ドラマの主人公として描きやすいし、庶民的なヒロインを登場させればシンデレラ・ストーリーが完成する。
そういう観点でドラマに出てきた御曹司を見てみよう。
たとえば、『キング・ザ・ランド』(2023年)でイ・ジュノが演じたク・ウォン、『社内お見合い』(2022年)でアン・ヒョソプが扮したカン・テム、『キム秘書はいったい、なぜ?』(2018年)でパク・ソジュンが演じたイ・ヨンジュン、といった主人公が目に浮かぶ。それぞれ、いかにも財閥家の御曹司らしい強烈なキャラだった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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