韓国KBS2ドラマ『ウンスのいい日』(U-NEXTで配信)が、最後まで深い余韻を残すウェルメイドなエンディングで大団円を迎えた。最終回では、すべての罪を償って日常に戻ったカン・ウンス(演者イ・ヨンエ)とイ・ギョン(演者キム・ヨングァン)が、再び選択と葛藤の岐路に立たされた。
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一方、チャン・テグ(演者パク・ヨンウ)とカン・フィリム(演者ト・サンウ)は狂気の果てに悲劇的な最期を迎え、因果応報の結末となった。
視聴率調査会社ニールセンコリアによると、最終回は全国世帯基準で5.0%を記録。特に、罪を清算したウンスが残った薬をトイレに流すシーンでは、瞬間最高視聴率6.2%を記録し、6週間にわたる物語が熱い反響の中で幕を閉じた。
パク・ドジン(演者ペ・スビン)は、テグが放った銃弾を身代わりに受けて命を落とし、ウンスを守り抜いた。
テグは再びウンスに銃を向けたが弾が尽きて失敗。「今から地獄を生きることになる。俺のように」と言い残して姿を消した。ドジンの葬儀を終えたウンスは、警察に緊急逮捕され法の裁きを受けることになる。
一方、警察の取り調べを受けていたイ・ギョンは、すべての罪を自らかぶった。「麻薬取引を最初に提案したのは自分だ」と語り、ウンスを守ろうとしたのだ。
しかし、イ・ギョンの偽証を見抜いた刑事チェ・ギョンド(演者クォン・ジウ)は、テグ逮捕の協力を求めた。
指名手配されたテグは、同僚警察官殺害と逃走の容疑で追われる身となった。負傷した体を引きずりながら隠れ家に潜伏し、ウンスから奪った金と薬で密航を企てつつ、息子の学校周辺を徘徊する。
そんな中、息子を誘拐したというウンスの映像メッセージを見たテグは狂気に包まれ、ウンスの元へと向かった。
罠にかかったテグは警察に包囲されてもウンスを人質に逃走し、激突事故まで引き起こしてついに破滅の道をたどった。
意識を失ったテグは、チェ・ギョンドの銃弾を受けて川へ転落し行方不明となり、1年後に白骨死体で発見されるという悲劇的な結末を迎えた。
ウンスは刑務所に収監され、罪を償った。返事のない娘に毎日手紙を書きながら過去を振り返り、1年後に出所した。
服役中のイ・ギョンを訪ね、「後悔していないの?やらなきゃいけないことがあったじゃない」と涙ぐむウンスに、イ・ギョンは「一度くらいは損得を考えず、あなたのために何かしたかった」と静かに微笑んだ。
イ・ギョンは緻密に集めた証拠でカン・フィリム一族を追い詰め、株価暴落と経営権崩壊を招いた金融スキャンダルの末に、フィリムは警察に逮捕される。
清掃アルバイトで生計を立てていたウンスはニュースを通じてイ・ギョンの復讐成功を知る。やがてイ・ギョンが訪れ、株を売って残った金を入れたボストンバッグを差し出し、「あなたのおかげで計画通りにできた。できる限りのことはする」と語った。
ウンスは「始めなければよかったけれど、一緒に戦ったのがあなたでよかった。幸せに生きて」と涙をこらえ、2人は互いの幸福を願って別れた。
引っ越しの荷を整理していたウンスは、テグの白骨遺体発見のニュースを見て、静かに微笑む。
さらに「グレーテルは魔女をかまどに突き落とした。でも彼らは本当に無事だったのだろうか?」というウンスのナレーションが、最後まで張り詰めた緊張を保ちつつ物語に余韻を残した。ウンスは布団の中に隠していた薬を見つけ、再び深い沈黙の中に沈んでいった。
復讐を終えたイ・ギョンは家族のもとへ戻るが、平穏は長く続かない。10年前、父がイ・ギョンの濡れ衣を知りながらカン・フィリム一族と和解していたことが明らかになる。
「お前1人のために家族を失うわけにはいかない」という父の言葉に、イ・ギョンは絶望と裏切りに打ちのめされた。
エンディングでは、ポケットの中の最後の薬を手放すイ・ギョンと、残った薬をトイレに流して微笑むウンスの姿が交錯。「一度線を越えた人間は、再び同じ状況に立たされたとき、もう一度線を越えずにいられるのだろうか」というウンスの独白が、人間の本能と道徳的ジレンマを問いかけ、深い余韻を残した。
麻薬の恐ろしさと、人間の果てなき欲望がもたらす悲劇を通して社会に警鐘を鳴らした『ウンスのいい日』。家族を守ろうとするそれぞれの欲望が絡み合い、ウンス、イ・ギョン、テグの運命が悲劇の連鎖に沈んでいく過程をスリリングに描きながら、人間の内面に潜む倫理的葛藤を鋭くえぐり出した。
イ・ヨンエ、キム・ヨングァン、パク・ヨンウの重厚な演技と、ソン・ヒョヌク監督の洗練された演出、そしてチョン・ヨンシン作家の緻密な脚本が融合し、最後まで息をのむ展開と深いメッセージで視聴者を圧倒した。
(記事提供=OSEN)
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