ヨン・サンホ監督が新作映画『啓示』について語る「全世界の視聴者が共感できる」

2025年03月19日 話題 #OSEN
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ヨン・サンホ監督と巨匠アルフォンソ・キュアロンの出会い——『啓示』は世界のファンを魅了できるか?

ソウル麻浦区のホテル ナル ソウル エムギャラリー2階で、Netflix映画『啓示』の制作報告会が行われた。このイベントには主演のリュ・ジュンヨル、シン・ヒョンビン、シン・ミンジェ、そしてヨン・サンホ監督らが出席した。

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本作は、同名の原作漫画を基に制作された作品で、失踪事件の犯人を裁くことが「神の啓示」だと信じる牧師(演者リュ・ジュンヨル)と、亡き弟の幻影に苦しむ失踪事件担当の刑事(演者シン・ヒョンビン)が、それぞれの信念を追い求める中で繰り広げられる物語だ。

『豚の王』『偽りの神』『新感染 ファイナル・エクスプレス』『サイコキネシス-念力-』『新感染半島 ファイナル・ステージ』『JUNG_E/ジョンイ』『地獄が呼んでいる』『寄生獣 -ザ・グレイ-』などを手掛けたヨン・サンホ監督の最新作であり、人間の本能に鋭い問いを投げかけながら、新しく独創的なジャンルの楽しさを提供する作品となっている。

(写真提供=OSEN)

また、斬新かつ衝撃的なテーマと没入感のあるストーリーテリングで評価される作家チェ・ギュソクとのコラボレーションも注目ポイントだ。

さらに、本作には『ROMA/ローマ』『ゼロ・グラビティ』など、興行的成功と芸術性を兼ね備えた巨匠アルフォンソ・キュアロンがエグゼクティブ・プロデューサーとして参加しており、ヨン・サンホ監督とアルフォンソ・キュアロンという2人のクリエイターの邂逅が大きな関心を集めている。

加えて、圧倒的な演技力を誇るリュ・ジュンヨル、シン・ヒョンビン、シン・ミンジェらがキャラクターと高いシンクロ率を見せ、彼らの熱演が作品に強烈なシナジーを生み出している。

(写真提供=OSEN)

ヨン・サンホ監督はタイトルについて、「さまざまな啓示のように感じられる出来事が連続する。それゆえに『啓示』というタイトルを選んだ。自分が見たいものだけを見て、信じたいものだけを信じる人物たちの破滅と救済を描いた物語だ。これまでの映画とは異なり、ファンタジー要素を排除し、リアルなトーンと演技で深みのある心理スリラーを作ろうと努めた」と語った。

原作と本作の違いについては、「原作の大筋には沿っているが、トーンには違いがある。原作漫画では主人公が世俗的な人物として描かれている。しかし、リュ・ジュンヨルが先に提案してくれた。彼は『世俗的な人物として出発するよりも、観客が感情移入しやすい、平凡で信心深い立場の方がキャラクター全体がより強烈に映るのではないか』と言ってくれた。それを反映する形でキャラクターを作り上げた」と説明した。

この日、アルフォンソ・キュアロン監督が映像メッセージで登場し、「『啓示』のエグゼクティブ・プロデューサーとして参加した。今日、直接現場に行けないのが残念だが、こうして映像でメッセージを伝えられることに感謝している。この映画は、私たちの信念がどのように私たちを形作るのか、信仰と人間性、真実と善と悪の微妙な境界について描いた作品だ。また、リュ・ジュンヨル、シン・ヒョンビン、シン・ミンジェの圧倒的な演技によって完成された、没入感の高い心理スリラーでもある。この映画が観客の心に長く残り、多くの議論を生み出すきっかけとなることを願っている」と語った。

ヨン・サンホ監督は「アルフォンソ・キュアロン監督は、私の世代にとって非常に大きな影響を与えた存在だ。『トゥモロー・ワールド』は特に多くの影響を受けた作品であり、彼は長回しの名手であり、常に映画において革新的な技術を取り入れる監督だ。ある日、キュアロン監督が制作会社を通じて一緒に何かを作りたいと連絡をくれた。英語の映画ではなく、韓国語の映画でも構わないと言ってくれた」と振り返ったのだった。

さらに、「ちょうど『啓示』のアイデアを考えていた時期だった。これまで私が手がけてきた作品は強いジャンル性を持っていたが、『啓示』は韓国的な要素が強い作品だった。“グローバルな市場で通用するだろうか?”と悩んでいた時に、キュアロン監督と話をした。そして、“韓国的な題材でもグローバルな形で表現できるか”というテーマで意見を交わした。彼はこの話をとても気に入ってくれて、“韓国的な物語ではなく、普遍的な物語だ”と言ってくれた。そうして制作を進めることになった。その後も編集版の異なるバージョンを送るなど、何度も意見を交わしながら作り上げた」と制作の舞台裏を明かした。

(写真提供=OSEN)
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リュ・ジュンヨルは、神の啓示を受けたと信じ、失踪事件の犯人を裁く牧師ソン・ミンチャンを演じ、熱演を披露した。

リュ・ジュンヨルは「ヨンニバースの中にある想像力を最大限に引き出して、撮影現場では合理的でありつつ、閃く瞬間もあった。最初から最後まで全力で臨み、とても楽しい気持ちで撮影した。ヨンニバースは想像以上の世界だった」と語った。

ヨン・サンホ監督は「リュ・ジュンヨルは本当に質問が多い俳優だ。彼の質問を聞いていると、耳から血が出そうなほどだった(笑)。でも、その質問の質が高い。質問を受けると答えなければならないが、それは一緒に考えることでもある。答えを見つけようとする過程が面白かったし、そうした状況の中でディレクションが生まれてくる」と、撮影過程の楽しさを語った。

リュ・ジュンヨルはシン・ヒョンビンとの共演について、こう語っていた。

「現場で同い年の俳優と出会うことはなかなかない。これは偶然ではなく運命のようなものだと思った。そのおかげで、とても良い雰囲気を作ることができた。友人として、気楽に楽しく演技することができた。シン・ミンジェ兄さんも僕に気を遣ってくれた。お互いに思いやりを持って接していたので、現場は本当に楽しかった。監督もそういう雰囲気を作ってくれた。撮影時間が短くて、“もっと長く撮影できたらどうだろう?”と思うほど、あっという間に時間が過ぎた」

(写真提供=OSEN)
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シン・ヒョンビンは幻覚に悩まされる刑事イ・ヨンヒを、シン・ミンジェは失踪事件の容疑者として疑われる前科者クォン・ヤンレを演じた。

シン・ヒョンビンは「この映画は決して楽しいだけの作品ではなく、重く暗いシーンもある。でもヨン・サンホ監督が私たちを信じ、自由に演技できる環境を作ってくれたので、本当に楽しく撮影できた。撮影前にアルフォンソ・キュアロン監督の話を聞いたときは驚き、信じられない気持ちだった。でも、作品を進める過程で話を聞き、映像を見て、“こんな手法もあるのか”と新たな経験をすることができた」と満足感を示した。

続けて「刑事というキャラクターをしっかり表現するために髪を短く切り、外見に変化をつけた。ここまでメイクをしなかったのは初めてだ。外見だけでなく、この人物が内面で抱えている恐怖を乗り越えようとする正義感や信念を表現するよう努力した。アルフォンソ・キュアロン監督と一緒に仕事をするのは緊張もしたし、ワクワクもしたというシン・ミンジェは、ヨン・サンホ監督とはすでに4回目の共演となる。彼はよく『似ているからまたキャスティングされたんじゃないか』と言われるが、そういうわけではない(笑)。別の場所でも僕をヨン・サンホ監督と間違える人がいるくらいだ。本当に似ているみたいだ」と笑いながら語った。

(写真提供=OSEN)
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アルフォンソ・キュアロンとの仕事について、ヨン・サンホ監督は次のように語った。

「最初に『一緒にやりたい』と言われたとき、海外で『新感染 ファイナル・エクスプレス』がよく知られていたので、“もしかして『新感染 ファイナル・エクスプレス』のような映画を作ろうとしているのか?”と思った。しかし、『啓示』のアイデアを話したとき、『新感染 ファイナル・エクスプレス』とは異なる映画になるだろうと伝えた。アルフォンソ・キュアロン監督はむしろ、その点を気に入っていた。『新感染 ファイナル・エクスプレス』のような作品を作るために話を持ちかけたわけではなく、違う映画を作ることに魅力を感じたと言っていた」と説明した。

さらに、「意外だったのは、アルフォンソ・キュアロン監督が以前から私をフォローしていたことだ。『豚の王』がカンヌ映画祭に出品されたときからだという。それが14年前のことだ。そのときから私の作品を見ていたと聞いて驚いた。最も重要なのは、最初の打ち合わせの際に、その映画が持つビジョンが何かを話し合うことだった。監督としてこの映画でどんなビジョンを持っているのか、それをしっかり聞こうとしてくれた。キュアロン監督自身もその間に作品を手掛け、撮影を行った。そして後の編集作業でも、そのビジョンを大切にしながら、どんな編集が望ましいかを話し続けてくれた。マーケティングの段階に至るまで、“この予告編は監督のビジョンを適切に表現できているか?”と考え、最後のローンチの瞬間まで初期のビジョンを実現するためにフォローしてくれる人だと感じた」と語った。

最後に、俳優のリュ・ジュンヨルは「予告編を見ただけで“オカルトでは?”、“怖い話なのでは?”と心配する人もいるが、実際にはリアルな物語であり、人間なら誰もが共感できる作品に仕上げた。韓国だけでなく、全世界の視聴者が楽しめると確信している」とコメントした。

ヨン・サンホ監督も「『啓示』には特別な意味がある。インディーズ・アニメーションから始まり、これまでさまざまな映画を作ってきたが、『啓示』はこれまでの自分の作風を整理し、凝縮した作品になった。もし今まで私の作品を一度も観たことがない人がいるなら、『啓示』だけ観てもらえれば十分だ。まさに集大成だ」と自信を示した。

なお、『啓示』は3月21日より、Netflixを通じて世界190カ国以上で配信される。

(記事提供=OSEN)

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