数多い時代劇の中で、歴史を重厚に描きながらドラマ性に優れた4本の作品を紹介しよう。歴史に翻弄されながら究極的な愛を貫く2人の主人公を見ていると、心から応援したくなってくる。
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●『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』
制作/MBC、2023年
配信/U-NEXT
出演者(演じた役名)/ナムグン・ミン(イ・ジャンヒョン)、アン・ウンジン(ユ・ギルチェ)、イ・ハクジュ(ナム・ヨンジュン)、イ・ダイン(キョン・ウネ)、キム・ユヌ(リャンウム)、チ・スンヒョン(ク・ウォンム)
〔この時代劇の最強ポイント〕アン・ウンジンが扮したユ・ギルチェは、上流階級で育った令嬢で自尊心がとても強い。そんな彼女が、清国が朝鮮王朝に攻めてきてから変貌していく。その変化を見守ってきた男が、ナムグン・ミンが演じるイ・ジャンヒョンだ。
平和な時代であれば美しいラブロマンスを作れた2人なのに、結局、ギルチェとジャンヒョンは歴史の荒波に巻き込まれてしまう。特にギルチェは人質と間違えられて清国に連れて行かれて、奴隷のような身分に落ちる。人間の尊厳を傷つけられるが、彼女が助けを求めたときに救ってくれたのがジャンヒョンであった。本当に名場面が多い時代劇だ。
●『風と雲と雨』
制作/TV CHOSUN、全21話、2020年
配信/U-NEXT
出演者(演じた役名)/パク・シフ(チェ・チョンジュン)、コ・ソンヒ(イ・ボンリョン)、チョン・グァンリョル(イ・ハウン/興宣大院君)、キム・スンス(キム・ビョンウン)、ソンヒョク(チェ・インギュ)
〔この時代劇の最強ポイント〕パク・シフが演じるチェ・チョンジュンは、両班(ヤンバン)の御曹司で驚異的な頭脳を持っていたが、父親が悪徳高官に殺されて一家が没落した。彼は苦難の末に天才的な易術師になり、王朝の権力闘争の渦中に入っていく。チョンジュンが恋慕していたのが、コ・ソンヒが扮したボンリョンである。特殊才能の持ち主で、未来を予見することができる。
そうした境遇を持ったチョンジュンとボンリョンが、運命的なラブロマンスを繰り広げていくのが『風と雲と雨』のメインストーリーだ。19世紀後半の朝鮮王朝の歴史が壮大なスケールで描かれており、次期国王の争いと主人公2人のラブロマンスが劇的にリンクして傑作となっている。
●『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』
制作/KBS、全20話、2021年
配信/U-NEXT、Lemino、Amazon Prime Video
出演者(演じた役名)/キム・ソヒョン(ピョンガン王女)、ナ・イヌ(オン・ダル)、イ・ジフン(コ・ゴン)、チェ・ユファ(ヘ・モヨン)、カン・ハヌル(オン・ヒョプ)
〔この時代劇の最強ポイント〕6世紀中盤の高句麗(コグリョ)。国王の長女であるピョンガン王女と順奴(スンノ)部族のオン・ヒョプ将軍の息子だったオン・ダル。2人の波乱に満ちた人生を描いた重厚な歴史物語だ。ピョンガン王女を演じるキム・ソヒョンの熱演ぶりが秀逸だ。
「国を愛する強い王女」を魅惑的に演じている。また、オン・ダルに扮するナ・イヌは朗らかな演技を見せて、味のあるキャラクターに扮している。主役2人の演技力がとても冴えていて、重厚な歴史ドラマがワクワクするほど面白い。
●『七日の王妃』
制作/KBS、全20話、2017年
配信/U-NEXT
出演者(演じた役名)/パク・ミニョン(シン・チェギョン)、ヨン・ウジン(イ・ヨク)、イ・ドンゴン(燕山君)、チャンソン〔2PM〕(ソノ)、ソン・ウンソ(チャン・ノクス)
〔この時代劇の最強ポイント〕主人公は、歴史的にわずか7日間で王妃の座から引きずり下ろされた端敬(タンギョン)王后だ。そうした実話を刺激的なストーリーにしたのが『七日の王妃』である。の核心部分であった。パク・ミニョンが演じたシン・チェギョンが結婚したのが、ヨン・ウジンの演じる王族のイ・ヨクだ。
彼は燕山君(ヨンサングン)の異母弟だ。恐ろしかったのは、暴君として評判の悪い燕山君がシン・チェギョンに好意を持っていたことだ。こうしてしかし、彼女は様々なトラブルに巻き込まれてしまう。しかし、燕山君が単純な暴君のイメージで描かれていない。むしろ、燕山君を演じたイ・ドンゴンが暴君に新たな解釈を加えたのが『七日の王妃』であった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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