テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『善徳女王』では、11月15日の第54話でキム・ユシン(オム・テウン)、トンマン(イ・ヨウォン)、ピダム(キム・ナムギル)という3人の思惑が完全にバラバラになっていった。
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一番怪しい動きを見せているのがピダムだ。彼は官僚の不正を摘発する役目を負っていたのだが、その際に伽耶(カヤ)の再興を目指す復耶会を徹底的に調べまくって、ユシンに罪をなすりつけた。それによってユシンは流刑に処されたのだが、そこにはトンマンの深い読みがあった。彼女はユシンを百済(ペクチェ)の内情偵察に向かわせたのだ。
彼は百済の軍隊に入り込んで貴重な情報を得た。それは大耶城(テヤソン)に百済の密偵がいて、門を開けさせられる可能性が高まったということだった。これほどの重要な情報をユシンが得たのに、彼はピダムの配下の者たちに囚われてしまい、都に連行された。
こういった動きを見ても、ピダムは自分の野心を叶えることしか考えていない。本来なら厳しい戦争が待っているので、国を挙げて団結しなければいけないのに、ピダムは自分がトンマンに続いて王になるという野望にこだわっている。そして、自らの権力を巨大化させるために、まずはライバルだったユシンを罠にはめて没落させた。
しかし、ユシンはしぶとく這い上がってきた。そこでピダムはさらにユシンを監視して捕まえた。ユシンは新羅のために最大の働きをできる男なのだが、ピダムにとっては自分の野望を打ち砕く存在であり、絶対に倒さなければならない。そういう意味で、ピダムはひたすらユシンに対抗心を燃やしている。
このように怪しい動きばかりしているピダム。演じているキム・ナムギルは独特の表情を駆使してピダムに成りきっている。本来どんなに自分が不利な状況でも顔に出さないというのが策士の条件なのだが、ピダムはそういうタイプではない。
自分が気に入らないことがあると、どんどん表情に出してしまう。そんなピダムを演じながらキム・ナムギルも表情を多彩に変えて心の感情をストレートに表現していた。
その際に見せるキム・ナムギルの演技は、まさに妖艶な雰囲気が存分に漂っていた。彼こそは『善徳女王』で大ブレイクした希代の個性派俳優だと言えるだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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