ごく個人的な話なのだが、最近何度も尋ねられたことがある。それは、まだ韓国ドラマをじっくり見たことがない人から「真っ先に何を見たらいいですか」と聞かれたのだ。
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自分なりに「どんなドラマがいいだろうか」と様々な作品を思い浮かべたが、やはり自信を持って勧めたのが『涙の女王』だった。今年の韓国ドラマで一番話題になった作品だが、それだけでなく、韓国ドラマになじみがない人にも受け入れられる特徴をたくさん持っている。
まずは、序盤の展開がとてもドラマチックだ。財閥令嬢とエリート社員の結婚が華々しく取り上げられるが、男は離婚を決意してわがままな妻から逃げようとする。しかし、妻の難病が発覚して彼女の余命は少なかった……そういう流れから始まる『涙の女王』はとてもスリリングだ。
これならば韓国ドラマの初心者にも興味深く見てもらえる。途中から離脱しにくいという意味で、『涙の女王』の展開は「やみつき」レベルだ。
しかも、夫婦となっているホン・ヘイン（キム・ジウォン）とペク・ヒョヌ（キム・スヒョン）というカップルもキャラがとてもいい。華があるし、愛嬌もある。ビジュアル的にも申し分ない。実際、主役カップルが素敵なドラマというのは他の人に勧めやすい。
物語の設定も凝りに凝っている。財閥会長の愛人となっているモ・スリ(イ・ミスク)とその息子のユン・ウンソン(パク・ソンフン)は「悪役の強力二枚看板」になっていて、ストーリーに強烈なメリハリをもたらしている。
悪役の存在がハッキリしているドラマはハラハラ感がハンパない。さらに、財閥家の家庭の事情も複雑で人間模様が興味深いし、ペク・ヒョヌの田舎の実家との対比が痛快だ。
また、映像のスケールが大きくて目で楽しませてくれる。財閥家の華麗な生活ぶりに圧倒されるし、ドイツのロケも名場面の連続だった。
以上のことを総合的に判断しても、ドラマ初心者から「何を見たらいいか」と聞かれたら、真っ先に『涙の女王』を勧めるだろう。その選択には間違いがない、と思える。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
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