放送が終了しても大きな余韻を残しているメガヒット・ドラマの『涙の女王』。登場人物のキャラ設定がとても奥深くて、家族の人間関係に興味を持てるドラマだった。その中でも、今回は財閥家のホン・ヘイン(キム・ジウォン)とホン・スチョル(クァク・ドンヨン)のきょうだい関係を取り上げてみよう。
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姉のヘインはクイーンズ・グループの常務理事およびデパート部門の社長で、弟のスチョルはグループの専務理事およびクイーンズマートの社長だ。肩書ではスチョルのほうが上だ。とはいえ、能力はまるで違った。ヘインはカリスマ性がある社長であり、社員への指示も的確だ。
一方のスチョルは駄目な経営者の典型的な男であり、企業を成長させる戦略性も弱い。これだけ差があっても、財閥ではスチョルのほうが優遇されていた。
しかし、純粋に家族関係を見ると、歴然とした違いがある。姉のヘインは弟のスチョルを徹底的に支配していた。それゆえ、スチョルは常にヘインに対して恐怖心を持っていた。彼にとって、姉のプレッシャーからいかに逃れるか、ということが人生における命題でもあったのだ。
そんな2人の力関係を端的に示したのが第9話だ。財閥家のみんなは乗っ取られて没落し、ヒョヌの実家で居候する羽目になった。その時の食事会での出来事だ。スチョルは水が飲みたかった。すると、ヒョヌの父親が水の入ったヤカンを出してきた。しかし、スチョルはそういう水を飲んだことがないので、ヨーロッパのブランドの水が欲しいと言った。
わがままを言った瞬間、スチョルはヘインから強烈な一発をもらい、黙って出された水を飲めと指図された。その場にいた一同が凍るほど固まっていた。結局、スチョルは仕方なく慣れていない水を飲むことになったが、このシーンは本当に強烈だった。
スチョルは財閥の3世としてあまりに過保護に育ってきた。母親のキム・ソンファ(ナ・ヨンヒ)は、「危ないから」という理由でスチョルに絶対に自転車をやらせなかった。同じように。スチョルは姉のヘインからも色々な束縛を受けてきた。そういう境遇からのスチョルの成長を端的に見せてくれたのが、『涙の女王』というドラマの痛快な部分であった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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