王の補佐役・内官について知ることができる『雲が描いた月明り』

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朝鮮王朝を描いた時代劇というのは、王宮の中で起こる出来事を扱う宮廷ドラマの割合がとても高く、主要なキャストと一緒によく出てくるのが女官や秘書役の男性だ。

特に、国王が出てくる場合に、ピタリと寄り添っているのが内侍府(ネシブ)の役人である。

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この人たちは見た目ですぐにわかる。朝鮮王朝の官僚はみんな髭をたくわえているのに、内侍府の役人には髭がない。それもそのはずで、彼らは去勢された宦官(かんがん)だからだ。

中国の王朝には宦官の制度があり、それを朝鮮王朝もみならって宦官を王宮の主要な場所で勤務させた。彼らは主に王族の食事を管理し、王族の意思を周囲の人たちに伝達し、さらに王宮の要所で護衛の任務に就いていた。

『雲が描いた月明り』ではキム・ユジョンが内侍府の内官に扮していた(写真=KBS)

国王に寄り添っている内官

もちろん、国王の秘書役としての働きも顕著だった。それを含めて、内侍府の役人というのは担当する任務がとても多く、激務であったと言われている。

そんな内侍府の役人にスポットを当てた時代劇として記憶されているのが『雲が描いた月明り』だ。

このドラマでは、キム・ユジョンが内侍府の内官(ネグァン)に扮していた。

ただし、キム・ユジョンは女性なのに男装して内侍府にまぎれこんでいた。普通は宦官であることを厳しくチェックされるので、女性が内官にまぎれこむというのは絶対に不可能だが、ドラマはその「不可能」を「可能」にしてしまい、キム・ユジョンはパク・ボゴムが演じる世子のイ・ヨンにぴったり寄り添っていた。

それによって、様々な面白いストーリーに発展していくのだが、『雲が描いた月明り』は内侍府の仕事ぶりをとても細かく紹介していて、この役所を知る上で最適な時代劇になっていた。

この他では、ヨ・ジングが主演した『王になった男』でも、内侍府の内官が国王の補佐役として最良の仕事ぶりを見せていた。

今後は、時代劇を見るときに国王に寄り添っている内官にも注目してみよう。髭がない内官がいれば、それが内侍府の役人であり、最良の秘書役になっていることだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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