女優のチン・セヨンが主人公のオクニョを演じて2016年に放送された『オクニョ 運命の女(ひと)』。
このドラマは、朝鮮王朝の13代王・明宗(ミョンジョン)の治世する時代を背景に、監獄で生まれたオクニョの半生を描いた作品で、パク・チュミは朝鮮王朝三大悪女の1人として知られる鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)を演じた。
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ここで鄭蘭貞という女性について説明しよう。
彼女の父親は役人で、母親は最下層の身分の奴婢だった。朝鮮王朝では母親が奴婢の場合、子供も同じ身分になるため、鄭蘭貞は辛い幼少期を過ごすことになった。
その生活を少しでも楽にするために奴生(キーセン)となった彼女は、11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の正室となった文定(ムンジョン)王后の弟の尹元衡(ユン・ウォニョン)と出会い、彼の妾となったのである。
そんな彼女を演じたパク・チュミは、とても優れた女性で文定王后や尹元衡の裏で、内助の功を懸命にやった女性だと思ったようだ。
そして、『オクニョ』の撮影が始まり、迫真の演技で悪女の鄭蘭貞を演じていくパク・チュミが特に印象に残っているシーンがあるという。
それは、夫婦である鄭蘭貞と尹元衡がコ・ス扮するテウォンのことで激しく言い争う場面だ。
ここで出てきたテウォンとは、尹元衡の息子のことである。
世の中の多くの女性がそうだと思うが、パク・チュミ自身も夫婦喧嘩はあまり好きではないようだ。
しかし、尹元衡が息子への愛を示したことに怒り、陶磁器などを投げつけたりしたことは面白い体験だったという。
以上のようにドラマの中で最後まで悪女の役を演じきったパク・チュミは、彼女を演じるために、撮影中はずっと目つきをきつくしていたらしく、顔がこわばったり頭痛に悩まされたりと大変な思いをしていた。
こうして『オクニョ』で印象的な演技を披露したパク・チュミ。彼女は時代劇には欠かせない存在だと言ってもいいだろう。
文=大地 康
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