K-POPアイドルの中でも少女時代は傑出した存在だったが、このグループを牽引してきたのがユナだ。彼女はK-POPアーティストとしても超一流だったが、女優としても抜群のセンスを見せていた。
彼女が初主演したドラマの『君は僕の運命』は大人気となり、ユナはKBS演技大賞 最優秀新人女優賞を獲得した。
以後もユナの女優としての活躍は続き、2012年には『冬のソナタ』を演出したユン・ソクホ監督がチャン・グンソクと組んだ『ラブレイン』で、ユナはヒロインを演じて爽やかな印象を残している。
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そんなユナが時代劇に出演したドラマが2017年の『王は愛する』である。
この時代劇は高麗時代の後期を描いていて、イム・シワンが主役として高麗王朝の世子(セジャ)であったワン・ウォンを演じていた。そんな世子に愛されたのが、ユナが演じたウン・サンであった。
彼女は大富豪の一人娘なのだが、苦しい境遇に陥ってとても辛い過去を過ごす。それでも健気に生きていく高麗時代の女性を、ユナは美しく演じていた。
こうして『王を愛する』というドラマは、世子の初恋を中心に描いていくのだが、ヒロインとなったウン・サンは世子のワン・ウォンだけでなく、王族のワン・リンにも愛されていく。このワン・リンを演じているのは、凛々しいホン・ジョンヒョンだった。
結局、2人の王族に同時に愛されていったのがウン・サンだった。つまり、ユナが演じた役は難しい三角関係の中でロマンスを成就させていくキャラクターであり、微妙に揺れ動く恋心をユナは繊細かつ抒情的に演じる必要があった。この点でもユナは、女優としての成長を大いに見せてくれた。
最近の韓国芸能界では、K-POPのアイドルスターがドラマの俳優として活躍することが多いのだが、その中でもユナは特筆すべき存在になっている。そういう意味でも、彼女の女優としての才能が大いに発揮されたのが『王は愛する』であった。
文=大地 康
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