NHKのBSプレミアムで毎週日曜日の午後9時から放送されている『太陽を抱く月』。
物語は前半から中盤に移っているが、これから見る人も大いに楽しめるドラマだ。それほど各話に面白いエピソードが多く、ストーリーもよく出来ている。
主役は、キム・スヒョンが国王を演じ、巫女となる女性をハン・ガインが扮している。これから見る人やあらすじを再確認する人のために、前半の展開を紹介しよう。
朝鮮王朝の次代の国王となる世子になったのはフォンであった。
そして、彼の婚約者に選ばれたのは、“初恋の人”とも言えるヨヌだ。２人は幸せな将来を誓い合う。
しかし、そこから大妃（国王の母）の陰謀が始まる。
勢力の拡大を狙う大妃は巫女を使ってヨヌを呪い殺そうとする。不運にも重病となってしまったヨヌは実家に帰され、父の胸に抱かれて世を去ってしまう。
ところが、実は彼女はまだ生きていて、すぐに生命を甦らせることができた。とはいえ、記憶喪失となってしまい、結局は巫女に育てられることになった。
やがて、成長したヨヌは巫女ウォルとして王宮に戻り、王になっていたフォンと再会を果たすことができた。
実は、フォンはヨヌが世を去ったあとも彼女のことをずっと忘れなかった。それでも、まさかヨヌが生きているとは知らず、ウォル（ヨヌ）のことが誰だかわからない。
それなのに、不思議なほどにその存在に惹かれ、フォンとウォルは奇妙な関係になっていくのだが……。
前半は以上のようなストーリーだった。
本来なら王と巫女が同じ空間にいるということは朝鮮王朝では考えられないことだった。
そんな“ありえないこと”をいかにも“ありそうなこと”のようにスリリングに描いた。それによって、『太陽を抱く月』はどんどん面白くなっていった。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
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