5月からNHKの総合テレビで始まった韓国時代劇ドラマ『100日の郎君様』で描かれる世子(セジャ)と怨女の結婚。その斬新な設定が、韓国はもちろん日本でもヒットしている要因の一つであるのは間違いない。
『100日の郎君様』は、完全無欠の世子であるイ・ユルから突然“ダメ男”に転落したウォンドゥク(ド・ギョンス)と、最高齢の怨女ホンシム(ナム・ジヒョン)の100日ロマンス時代劇だ。
仮想の朝鮮時代を背景にラブコメの甘さと面白さはもちろん、独特のクセまで兼ね備えた期待作として韓国放送当時から熱い関心を集めた。
見るだけで笑いを誘う2人の快く切ない結婚生活と、宮中で繰り広げられる権力争奪が描かれ、一瞬も目が離せない。
新婚夫婦のウォンドゥクとホンシムのかわいいロマンスが好評の『100日の郎君様』が、他のロマンス時代劇とは異なり、世子と怨女の結婚という新鮮な素材に注目した理由は何か。制作スタッフが直接答えた。
制作陣は「朝鮮時代には国に自然災害や天災地変が起きれば怨女曠夫(適齢期を過ぎたり、配偶者と死別した男女)の結婚を国が進める習わしがありました。すべての災難が怨女と曠夫の恨みが原因だと思っていたんです」と説明する。
『100日の郎君様』は、「その命を直接下した世子が最高齢の怨女と結婚したらどうだろう。その2人が実際に恋に落ちたら、独特で面白いロマンス時代劇が誕生するのではないか」という考えから出発したドラマだというのだ。
続けて「完全無欠の代名詞だった世子ユルが記憶喪失により、無能極まりないダメ男になる。そしてホンシムと結婚することになるが、ごく平凡な民だったホンシムが“かかあ天下”となり、世子だったユルは尻に敷かれる」という立場逆転劇が面白さを増していると指摘した。
また「この転覆的な関係を整えることで、今の時代を生きる平凡な人々に痛快感を与えたい」と話した。
『100日の郎君様』は、NHK総合テレビで日曜夜11時から放送中。
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