Netflixで人気を集めた『エスクワイア:弁護士を夢見る弁護士たち』は、ユルリム法律事務所を舞台にして、訴訟チーム長ユン・ソクフン(演者イ・ジヌク)と新人弁護士カン・ヒョミン(演者チョン・チェヨン)が主人公になっていた。
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ソクフンは大変有能な弁護士だが、冷徹で感情を出さない男であった。ヒョミンが採用試験の面接に現れた時に、遅刻を理由として厳しく批判している。全く融通がきかない面を見せていたのだ。
それでもヒョミンがあまりに有能なので、ユルリムに入社できてソクフンが率いる訴状チームに入って来た。当初はヒョミンのことを冷ややかに見ていたソクフンであったが、彼女の仕事ぶりを見て徐々に評価が変わっていく。
それほどにヒョミンは観察力が鋭く、弁論も際立っていた。何よりも彼女には人を和ませる優しさがあった。その優しさが、ソクフンが築いていた「心の壁」を崩していった。
最初は冷徹に思えたソクフンも、様々な訴訟問題を通して実は熱い男であることが明らかになってくる。児童虐待を繰り返した男に鉄拳をふるったし、動物虐待をした男も激しく殴りつけた。
本来そういうことをしない男に見えたソクフン。法廷では冷静な弁論を繰り返しているが、許せないことには容赦がなかった。それは彼自身が深い傷を負っていたからだ。妻と離婚し、望んでいた子供もできなかった。
それなのに、元妻は再婚してからすぐに妊娠していた。このように辛い思いを経験したソクフンは、愛について真剣に悩み、そして苦しんだ。
その際に寄り添ったのがヒョミンであった。彼女もプライベートでは様々な苦難を抱えていた。それだけにソクフンの気持ちも痛いほどわかるのである。
こうして、仕事上では上司と部下の関係であった2人は、日々の生活の中で負った傷を共に癒し合う仲間であった。そういう境遇をきちんと取り上げていたのが『エスクワイア:弁護士を夢見る弁護士たち』の卓越したところであり、最後まで愛をテーマにした描き方は見応えがあった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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