『トンイ』を見ていると、とても気になるキャラクターがたくさんいる。その中で特別な存在感を持っているのがオ・ユンだ。彼は義禁府(ウィグムブ)の役人で、罪人を取り締まることが仕事だった。そして、オ・テソク(演者チョン・ドンファン)の甥であることが自分の立場を決定づけていた。
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オ・テソクは張禧嬪(チャン・ヒビン/演者イ・ソヨン)を支持する南人派の重鎮であり、王宮の中で様々な陰謀をめぐらせていた。それゆえ、オ・ユンも張禧嬪の味方をせざるを得なかった。明らかにトンイを敵に回すということなのだ。
案の定、オ・ユンは随所でトンイを追い詰めていった。ただし、トンイを助ける場面もあった。というのは、義州(ウィジュ)にいたトンイが妓生(キセン)のソリ(演者キム・ヘジン)と一緒に都に入っていこうとするとき、それを手助けしたのがオ・ユンだったのだ。彼はソリに好意を持っていた。それがトンイに幸いしたのである。
以上のようにトンイに関わっていたオ・ユン。演じていたのがチェ・チョロ(チェ・チョルホと表記されることも多い)だった。
彼は1970年に生まれ、舞台で役者として経験を積んだ後にドラマや映画で出番が多くなった。2009年には『僕の妻はスーパーウーマン』でMBC演技大賞優秀賞を獲得。その翌年に出演したのが『トンイ』であった。
このドラマで彼の名はさらに高まったのだが、結局は途中降板を余儀なくされている。酒席での暴力事件が発覚したからである。すぐに芸能活動を自粛し、2年後に復帰している。
以後の活動で特に注目されたのが、イ・ヨンエが主演した『師任堂(サイムダン)、色の日記』(2017年)だった。このドラマでチェ・チョロはミン・チヒョンという野心家を演じていた。
彼は地方官吏から成り上がり、やがては紙の商人として利権を独占していくようになる。主人公の師任堂と対立せざるを得ないのだが、そういう中でチェ・チョロは重厚な演技を披露していた。
その後も芸能活動を続けていたが、トラブルにも見舞われて、世間を騒がすことがあった。まさに「山あり谷あり」の俳優人生と言えそうだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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