ディズニープラスの「スター」で配信された『私たちの映画』。ナムグン・ミンが映画監督イ・ジェハに扮し、チョン・ヨビンが女優イ・ダウムを演じた。物語はヒロインが余命宣告を受けていて主演女優も余命が短い、という展開になっていた。
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果たしてイ・ダウムが最後まで演じることができるのか…とハラハラしながら見た視聴者も多かったのではないだろうか。
また、この作品には、映画が企画段階から作られていく過程をリアルタイムで把握できる臨場感があった。
1990年代に制作された『白い愛』のリメイクなので元の脚本があるとはいえ、俳優オーディション、撮影施設の設置、撮影監督をはじめ録音・照明・美術などのスタッフ構成、投資者へのアピール、宣伝戦略、スキャンダル記事への対策、俳優の所属事務所への対応など、1本の映画ができるプロセスが興味深く描かれていた。
このドラマを見ていると、映画制作で一番苦労しているのが、監督よりプロデューサーであることがよくわかった。『私たちの映画』の場合、プロデューサーはプ・スンウォン(演者ソ・ヒョヌ)であり、彼は映画が失敗したら破産する覚悟を持っていた。
堂々たる主役の1人
ストーリーの中でも、映画に理解がない投資側がイ・ジェハ監督の更迭を要求したときが、プ・スンウォンにとって最大のピンチであった。最終的に彼は投資側の言いなりにならず、骨っぽい矜持を見せた。投資側に対して最初は卑屈になっていたが、最後はタメグチになってタンカを切るところは最高に面白かった。
しかも、投資を得られなかったので事務所も手放すことになった。そんなことが何度も続いたら、命がいくつあっても足りないと思えてしまう。映画制作はそういうリスクを常に抱えており、綱渡りの中で映画史上に残る傑作も生まれてくるのであろう。
『私たちの映画』は、イ・ジェハとイ・ダウムが主役であったが、プ・スンウォンも“堂々たる主役の1人”だと思えてならない。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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