現在は『春画恋愛物語』(U-NEXTで配信中)に主演しているコ・アラ。「おてんば王女」と称されるファリ姫を愛らしく演じている。
時代劇のコ・アラといえば、『ヘチ 王座への道』で司憲府(サホンブ)の捜査官ヨジに扮していたのも強烈に思い出される。
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このドラマでは、主役のチョン・イルが延礽君(ヨニングン)を演じていた。延礽君は後に英祖(ヨンジョ)として21代王となる偉大な人物だが、本作の序盤では、その存在は王族の中で軽んじられていた。「母親の出自があまりに低すぎる」という理由で、彼は正統な後継者として認められず、政争の中心から遠ざけられていたのだ。
しかし、ただ無力のままでいるわけがなかった。彼は時に敵対する高官と手を組むという巧妙な戦略を駆使し、次第に政治の表舞台に移っていく。そんな『ヘチ 王座への道』でコ・アラは捜査官ヨジを巧みに演じた。
実際、ヨジは疾風のような女性だ。「絶対につかまえる」という信念を胸に、悪を追い詰める姿は凛々しく、正義を貫くその情熱は素晴らしかった。しかも、彼女は酒に滅法強く、体力も尋常ではない。まるで鋼のような精神と肉体を持つ彼女が司憲府にいるならば、王朝の役人たちは決して不正を働けないだろうとさえ思わせる。
しかし、ヨジがただ闘志に燃えるだけの存在ではないことも、本作の魅力のひとつである。彼女は冷徹な男たちに囲まれながらも、女性ならではの柔軟さと繊細さを持ち合わせている。強さの中に優しさを秘めた彼女の存在が、物語に深みを与えていたのだ。
また、時代劇において俳優の衣装や立ち居振る舞いも作品の雰囲気を大きく左右する。主役の延礽君を演じるチョン・イルは、韓服が驚くほどサマになっていて、まさに時代劇向きの俳優といえる。その彼とコ・アラは見事に呼吸を合わせていた。
そして、今回のコ・アラは『春画恋愛物語』で王女に扮して、歴史の重みを感じさせる演技を披露している。時代劇が似合う女優だけに、大いに期待できる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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