今は大学の各校で入学試験が行われており、受験生を持つ親たちも気が気でないだろう。そんな時期だからこそ、『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』(2018~2019年)が重みを増してくる。
【関連】『SKYキャッスル』女優キム・ボラ、花嫁姿で幸せオーラ全開!【PHOTO】
このドラマは韓国社会の極端な学歴偏重社会を辛辣に描き、子供の教育問題をリアルに扱っていた。そういう意味でも、受験シーズンにとても関心を集めるドラマになっているかもしれない。
物語の舞台は、「SKYキャッスル」と称される超高級住宅地。その住人たちは、華やかな生活を送る一方で、共通の野望に取り憑かれていた。それは、いかにして我が子を超難関大学へと押し上げるか――特に、最高峰とされるソウル大学医学部こそが究極の目標だった。
主人公のハン・ソジン(演者ヨム・ジョンア)も野望に固執していた。彼女の夫、カン・ジュンサン(演者チョン・ジュノ)もまた、名声ある医師という地位を築いていたが、娘にはさらなる高みを目指させようと躍起になっていた。
そんなハン・ソジンが頼ったのは、息子をソウル大学医学部に合格させたばかりのイ・ミョンジュ(演者キム・ジョンナン)。成功者として称えられる彼女の秘訣を手に入れようと、ハン・ソジンは豪華なパーティーを開いた。
その甲斐があって、イ・ミョンジュの紹介により、伝説的な入試コーディネーターであるキム・ジュヨン(演者キム・ソヒョン)の指導を受ける機会を得ることとなる。
キム・ジュヨンは、手掛けた生徒を次々と志望校へと導く、まさに受験戦争の魔術師。彼女の手腕を知る者なら誰もが、その指導を受けられることを最高の幸運と考えた。
ハン・ソジンもまた、これですべてが順調に進むと胸をなでおろした。だが、絶頂の幸福を享受していたはずのイ・ミョンジュが、突然の自殺を遂げてしまった。
この衝撃的な事件を皮切りに、完璧に見えた「SKYキャッスル」の住人たちの仮面が次々と剥がれ落ちる。彼らが手にしていたのは、誰もが憧れる華麗なる地位と名声。しかし、その内実は、野心と虚栄に取り憑かれ、足元から崩れ落ちる運命をたどる日々だった。
このように、『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』が描く物語はとても暗示的だ。受験シーズンの今こそ、物語の本質があからさまに見えてくるかもしれない。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】『SKYキャッスル』のユン・セアは実はこんなドラマに出演していた
前へ
次へ