今や韓国ドラマの主人公は、30代後半の男優が席巻している。特に顕著なのが、1987年と1988年に生まれた男性たちだ。まずは、該当する男優の名前を並べてみよう。
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1987年生まれは、イ・ミンホ、チ・チャンウク、ソ・イングク、チャン・グンソク、チョン・イル。そして、1988年生まれはパク・ソジュン、キム・スヒョン、テギョン(2PM)、チョン・ヘイン、イム・シワン、アン・ボヒョンとなっている。
もし1987年生まれと1988年生まれの男優たちでドラマを作ったら、史上最高のキャスティングができるかもしれない。
彼らが生まれた当時の世相を見てみよう。
まずは1987年から。この年は民主化闘争が激化して、その成果で軍事政権が終了している。韓国現代史でとても重要な時期だったのである。
さらに、1988年というとソウル・オリンピックが開催されている。韓国は1988年9月に実施されたソウル・オリンピックを成功させて、国際社会で株を大いに上げることができた。つまり、韓国が国家として大きな自信を持った年が1988年なのである。
そういえば、『恋のスケッチ~応答せよ1988~』という傑作ドラマもまた、あの時代を舞台にしている。華やかなオリンピックの成功が、郷愁を誘うように語られる。輝かしき五輪の記憶は人々の胸に刻まれ、過ぎ去りし日々への懐かしさをいっそう深めてくれる。
ソウル・オリンピックの後、韓国社会は大きな変革の波に乗った。海外旅行の自由化により、多くの人々が世界各国へと旅立ち、新たな価値観と文化を持ち帰った。それは韓国の社会全体に新風を吹き込み、活気あふれる時代を到来させた。
特にエンタメの分野では、その変化が顕著であった。ドラマ、映画、音楽に携わる者たちは、積極的に海外へと足を運び、異国の地で研鑽を積んだ。
そこで培った技術や感性は、彼らの創作に見事に昇華された。1990年代の中盤から、韓国のエンタメ界は一段と洗練され、より高い完成度を誇る作品が生み出されるようになったのである。
そういう時代に、1987年と1988年に生まれた男子たちが育っていき、その中から俳優を志した人が才能と努力によって現在の名声を築くに至った。そういう意味でも、1987年と1988年に生まれた男優たちは、まさにエンタメの黄金世代と言えるだろう。
文=大地 康
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