キム・ナムギルが鮮烈なイメージで『善徳女王』の登場人物のピダムを演じたのが、2009年だった。あのときのキム・ナムギルはまだ新鋭の若手俳優。しかし、個性が際立っていた。
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実際、ピダムは『善徳女王』の中で異質なキャラクターだった。イ・ヨウォンが演じた善徳女王を支える役割だったが、最後は取り巻きたちの暴走によって反乱の首謀者にされてしまう。そういう激情型の人物をキム・ナムギルは奔放に演じ、彼はドラマの世界に旋風を巻き起こした。
あれから15年。若かった彼も今や円熟期を迎えている。といっても、個性は相変わらず強烈だ。それを如実に見せてくれているのが『熱血司祭2』だ。現在は、Disney+(ディズニープラス)で配信中である。
このドラマは2019年にシーズン1が放送されて圧倒的な人気を得ており、今回が続編に当たる。キム・ナムギルが演じる主人公のキム・ヘイルは、神父という聖職者でありながら、拳によって悪事を解決するナイスガイだ。
シーズン2では支援している学生が麻薬中毒にさせられて重体になってしまい、キム・ヘイルが麻薬組織の撲滅を誓う。そのために、組織の拠点になっている釜山(プサン)に乗り込んで、悪魔たちと対決するという展開になっている。
組織のボスがキム・ホンシク(ソンジュン)。鬼より恐ろしい残忍な男だ。しかし、表面的には高齢者に対する福祉に熱心なクリスチャンを装っている。キム・ヘイルはそんな狡猾な悪魔をつぶすために、自分の相棒たちと一緒に奮闘していく。
しかし、ドラマの本筋は「笑い」であり、アクションシーンが多いコメディなのである。とにかく、爆笑できるシーンがとても多く、視聴者を大いに楽しませてくれる。
ただし、物語の根底にあるのは悪や不条理に対する怒りを拳で解決するというスタイル。ここを絶対に忘れてはいけない。
思えば、『善徳女王』から『熱血司祭2』への道はまさにキム・ナムギルの黄金ロードだった。彼の俳優人生はいつも刺激に満ちている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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