NHKのBSプレミアムで7月2日(日)から放送が始まる『コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密』では、王宮の重要人物としてアン・ネサンが演じる左議政(チャイジョン)のシン・ウォノが登場してくる。
【関連】『コッソンビ』を彩るヒロインの「借金と秘密」が運命をどう変えるのか
このキャラクターは国王イ・チャン(ヒョヌ)にも影響を与える王宮のキーパーソンだ。そこで気になるのが、左議政という役職だ。果たして、どれほど責任のある役職なのだろうか。さらに、朝鮮王朝の高官たちはどんな組織になっていたのだろうか。そのことを解説していこう。
そもそも、朝鮮王朝では、科挙という試験に合格した者が政治を牽引していた。そして、それらの人々は「議政府(ウィジョンブ)」という最高機関で政策を作っていた。
議政府の最上位には領議政(ヨンイジョン)が存在した。これは現代の総理大臣に相当する。そしてその下には左議政(チャイジョン)と右議政(ウイジョン)がいて、彼らは現代の副総理大臣に該当する存在であった。
以上の3人の品階は正一品である。このように、領議政と左議政と右議政が官僚のトップ3と言える。
なお、議政府以外にも重要な機関がいくつか存在した。
●承政院(スンジョンウォン)……王の秘書役。特に王命の出納事務を担当
●司憲府(サホンブ)……官僚の不正を糾弾して風紀を守る
●司諫院(サガウォン)……王に諫言し、政治の非を指摘する
●義禁府(ウィグムブ)……王命に従って罪人を取り調べ)
●漢城府(ハンソンブ)……首都の司法、行政、治安などを担当
これらの機関のトップに立つ人々は重要なポジションを占めており、正一品から正二品の品階を持っていた。 そして、正二品以上の品階を持つ人が朝鮮王朝では「大監(テガム)」と称された。韓国時代劇でも王宮で立場が上の人はよく「大監(テガム)」と呼ばれていた。それはおなじみの光景であった。
なお、役人たちは皆、国王に対して忠誠を誓って働いていたが、時折国王に反抗する者も存在した。ゆえに、国王の前での会議では、役人同士が対立する場面も見受けられた。そういう場合に特に発言するのが左議政であり、そのことでもこの役職の重要性がよくわかる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】『コッソンビン熱愛史』カップルビジュアル公開!本当に結ばれるのは誰?
前へ
次へ