俳優チョ・スンウが主人公ペク・クァンヒョン役を務める時代劇『馬医』。このドラマは、現在テレビ東京の韓流プレミアで放送されている。
『馬医』に限らず『トンイ』や『ヘチ』など他の韓国時代劇でもよく登場するが、朝鮮王朝時代には司法を関わる3つの官庁が存在した。
【関連】韓ドラ時代劇がよくわかる官僚の役職・呼び名・地位を超解説!!
1つ目は、『ヘチ』でコ・アラ演じるヨジが所属していた「司憲府(サホンブ)」で、官僚が不正をしないか監視する役目を担っている。
2つ目は、高麗末期から朝鮮王朝にかけて置かれた行政機関「刑曹(ヒョンジョ)」である。この機関が担当するのは、罪を犯した者の刑罰の決定や重罪を犯した者への覆審、囚人や奴隷の管理だ。
そして3つ目は、『トンイ』や『王女の男』などに登場した「漢城府(ハンソンブ)」だ。
「漢城」とは現在のソウルのことを指している。もともとは「漢陽(ハニャン)」と呼ばれていたのだが、1392年に朝鮮王朝の初代王・太祖(テジョ)となった李成桂(イ・ソンゲ)が都を漢城に移し、政治の基盤を確立させた。
都の「漢城」を治める役所「漢城府」は、主に都の行政・治安などを担当していた。もっと細かく言うと、墓地に関する訴訟や戸籍の作成と管理、市場の取り締まりや検死などである。
数々の韓国時代劇によく「漢城府」の役人が登場するが、この『馬医』にももちろん登場する。
ちなみに、「司憲府」「刑曹」「漢城府」の司法に関するこの官庁は3つ合わせて「三法司(サムポプサ)」と呼ばれている。
朝鮮王朝の歴史は本当に奥が深く、まだまだ知らないこともたくさんある。韓国時代劇を見ていると、多くのことを学べるので、同じドラマを何回見ても飽きない。朝鮮王朝の歴史を知るための最高の教材と言えるだろう。
文=大地 康
■【関連】『馬医』歴史解説!朝鮮王朝時代の重大な罪・綱常罪の意味
前へ
次へ