『トンイ』は奇跡の大出世!!実際は命がけだった王妃への道

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韓国時代劇ドラマの巨匠イ・ビョンフン監督が演出し、女優ハン・ヒョジュがヒロインを演じた名作ドラマ『トンイ』。

賤民の身分だったトンイが朝鮮王朝第19代王・粛宗(スクチョン)の側室となるトンイの生涯を描いた同作はある意味、朝鮮王朝版シンデレラストーリーと言えるだろう。

史実によると、実際にも王の側室になることは、当時を生きた女性の憧れだったという。

側室になる方法はいくつかあり、まずは「揀択(カンテク)」を挙げることができる。

揀択とは、朝鮮王朝時代に王や王子の配偶者を決める行事のこと。数人の候補者を集めて、王や王族が直接見て、相手を選んだという。ここで王の目にかかれば、出世することができたわけだ。

また、宮中で働く女性(宮女)たちの組織である「内命婦(ネミョンブ)」で、四品以上の位を与えられた者も側室となった。

さらに、子を授かった場合も、側室となることがあったという。王の目に触れ、愛された者だけに、側室への道が開かれるというわけだ。

トンイのような側室は“憧れ”。忽然と姿を消す宮女も

とはいえ、宮女が王に接近するということ自体がほとんど不可能だったという。

それは単純に、宮女が忙しかったからだ。ときに民衆や官僚の反発を受けてまで王が宮女を集めたのは、愛人を作るためではなく、仕事が多いためだった。

さらに、500人以上いたとされる宮女の中で特定の宮女が王に愛されていることが知れ渡ると、その宮女がこつ然と姿を消すなんてこともあったという。

王の母や王妃、側室などの指示があったと推測される。側室になれるのは、ほんの一握りの幸運に恵まれた者だけだったのだ。

ドラマ『トンイ』の粛宗とトンイ(写真=2010 MBC)

では、側室以上の存在である王妃になる方法とは……。王といえども、婚姻関係を結べるのは一人のため、側室以上に厳しい道のりだ。

最も多いパターンは、王がまだ世子(世継ぎ)時代に結婚するというもの。そうすれば、世子が王に即位した際に、自動的に王妃に昇格できる。違う方法としては、側室から昇格するパターンもある。

ただし、朝鮮王朝時代の王妃は計36人いるが、側室から王妃へと昇格したのは、わずか4人。昇格するには、世継ぎを産むことが絶対条件で、張禧嬪(チャン・ヒビン)などは側室として粛宗の息子を産み、王妃へと昇格している。

王妃はもちろん、側室になることすらも奇跡に近い偉業だ。

そう考えると、宮女から側室へと昇格したトンイこと淑嬪崔氏(スクピン・チェシ)の人生は、まさに奇跡の“シンデレラストーリー”といえるだろう。

構成=韓ドラ時代劇.com編集部

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