『100日の郎君様』の時代に女性たちが強いられた道徳観「三従之道」とは?【韓ドラ雑学】

2020年06月10日 紀行 #康熙奉コラム
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NHKでも放映されているドラマ『100日の郎君様』には、ホンシム(ナム・ジヒョン)をはじめ、村の女性たちがたくさん出てくる。

みんなバイタリティがあるが、そんな彼女たちを苦しめたのが儒教的な掟だった。

そもそも、朝鮮王朝では儒教を国教にしていたので、男尊女卑の風潮が強かった。

特に、女性が強いられたのが「三従之道」だった。この「三従之道」というのは、子供のときは父母に従い、結婚したら夫に従い、老後は息子に従うという儒教的な道徳観のことだ。

さらに、朝鮮王朝時代の女性を苦しめたのが「七去之悪」(チルゴジアク)だ。この「七去之悪」は、夫が妻を勝手に離縁できる7つの条件をさしている。

その条件とは何なのか。

1.両親にしっかりと仕えなかった
2.息子を産まなかった
3.正しくない行いをした
4.人を騙して揉め事を増やした
5.病弱である
6.おしゃべりだ(不和の原因になる)
7.嫉妬深い

ナム・ジヒョンが演じたホンシム(写真=tvN『100日の郎君様』韓国ポスター)

このように理不尽な条件が多いが、「嫉妬深い」というのも妾を容認できない妻が悪いと見なされて、離縁の対象になってしまった。

こんなことが朝鮮王朝では許されているので、再婚の自由もない女性たちは夫の言いなりになるしかなかったのである。

(文=康 熙奉/カン・ヒボン)

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