朝鮮一の大商人が教える真の“ビジネス哲学”『商道-サンド-』【名作劇場】

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韓国の人気小説家、チェ・インホが300万部を売り上げた小説「商道(サンド)」をイ・ビョンフン監督が映像化することで、話題を集めたのが『商道-サンド-』だ。

時代は、朝鮮王朝時代後期の19世紀。貧しい環境に生まれながらも、自分の欲より世のため人のために商売し、高価な朝鮮人参の貿易を成功させて、巨万の富を築いたのが、実在した“朝鮮最高の大商人”と呼ばれるイム・サンオク。彼は自らの巨額の財産を晩年、民のために投げ打ったということで、歴史に名を刻んでいる。

このドラマのテーマは、“商人哲学”。主人公のイム・サンオクが奴隷という身分から、商才を発揮して成長していく過程には、現代のビジネスシーンにおいて通用する商売の基本と哲学が存分に盛り込まれていて、テンポの良い展開が見る人を飽きさせない。

さらに、脚本を手掛けたのが『ホ・ジュン』のチェ・ワンギュということで注目を浴びたほか、ソウル郊外に20億ウォンも投じて、当時の街並みを再現したということでも、話題になった。

ドラマ『商道-サンド-』(All Rights Reserved by MBC 2001,2002)

【あらすじ】官奴隷にもめげず、商才を発揮するサンオクの成長

訳官(通訳をする官僚)を目指していた父親のもとで、幼いころから各地で旅に出ていた少年のイム・サンオク(イ・ジェリョン)は、中国語が堪能だった。

そんなある日、商いで身を起こそうとした父は中国行きの商団に加わった。父とサンオクは、虎皮の商売を成功させて帰途につくも、松商の大房(最高責任者)であるパク・チュミョン(イ・スンジェ)の荷のなかに、禁制品の硫黄が混じっていることに気づき、関所で止められると、サンオクの父は投獄。チュミョンの裏切りによって、濡れ衣を着せられてしまったのだった。

父を打ち首にされ、官奴婢という過酷な境遇に追いやられたサンオク。だが、真鍮器(韓国の食器)店で働くうちに、商人として頭角を現す。

そして偉大な恩師ホン・ドゥクチュ(パク・インファン)との出会いがきっかけとなり、訳官になることを諦めて、商人の道を歩むことを心に誓う。

中国語での巧みな話術と機転のきいた商売で、サンオクが所属する湾商は繁栄していくが、松商のチュミョンが、卑劣な手段を使って湾商を窮地に追い込もうとする。チュミョンの娘のタニョン(キム・ヒョンジュ)は、そんな父の拝金主義に納得できず、次第にサンオクの人柄に惹かれていくのだが…。

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