『千秋太后』は高麗(コリョ)の理想を抱き、侵略に立ち向かう女傑・千秋太后(チョンチュテフ)の理想と夢、波乱万丈の人生を描いた時代劇だ。
千秋太后は高麗の始祖である王建(ワン・ゴン)の孫娘にあたる人物で、第7代高麗王・穆宗(モクチョン)の母でもある。
ドラマの見どころは、主人公のファンボ・ス(千秋太后)がたくましい女性であるということ。ファンボ・スは、それまで歴史上の記録では否定的な妖婦として紹介されていたが、ドラマでは妖婦や悪女でもない、高き理想を胸に高麗を守るために鎧をまとい、戦場に出る英雄として描いた。
また、女性が主人公ということで戦闘シーンを甘く見てはいけない。
ドラマのなかで女傑として描かれるファンボ・スは、馬にまたがっては弓を放ち、戦に長けた男たちを豪快に斬り倒していく。韓国の時代劇の中でも、豪腕な女性を描くのは初めてのことだ。
ファンボ・スを演じたのは、韓国のベテラン女優チェ・シラ。彼女は数々のアクションシーンに挑むべく、剣術や乗馬にも果敢に挑戦し、同作品で2009年KBS演技大賞最優秀演技賞受賞した。40歳を超えての体を張った演技に、驚くのは間違いない。
926年、渤海を滅亡させて勢いづいていた契丹。その後、960年に宋が中国大陸を統一するなか、契丹は宗との大戦をひかえていた。その前に契丹は背後からの不安を解消するため、高麗を滅ぼそうと計画を立てていた。当時の高麗は、契丹族を警戒し、宋と親交を結んでいたところだった。
そして998年、80万の大軍を引き連れ、高麗に入ってきた契丹は降伏するか、昔の高句麗の土地を与えるよう要求。
それに対し、素直に土地を渡そうとする高麗第6代王の兄・成宗(キム・ミョンス)だったが、一方で妹のファンボ・ス(=千秋太后、チェ・シラ)は真っ向からの戦いを主張するのだった。そのとき彼女と第5代国王との間には、のちの第7代国王となる穆宗(イ・イソン)がいた。
千秋太后は「兵士たちが血を流して戦っているのに、殿下は土地を与えて逃げるつもりか」と言い、戦いに出る覚悟を決めていた。一方の成宗も「我が国で民が血を流すことは許されない。国よりも我が民1人の血がもっと大切だ」と主張して食い下がらない。
そんななか、かつての高麗の始祖である王建の意志と理想を胸に秘めて邁進する千秋太后に波乱が待ちうけているのだった。
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